芸能

天才テリー伊藤対談「川地民夫」(1)裕次郎の一言から映画俳優の道へ…

●ゲスト:川地民夫(かわち・たみお) 1938年、神奈川県生まれ。隣家に石原裕次郎が住んでいた縁で、大学1年の時に日活に入社。58年、映画「陽のあたる坂道」で主演の石原裕次郎の弟役でデビュー。小林旭、沢本忠雄と「三悪トリオ」として売り出され、アクションもの、青春ものに次々と主演する。63年、鈴木清順監督・宍戸錠主演の「野獣の青春」に出演。以降、同監督作品の常連俳優となり、独特の個性で注目を集める。日活を退社したあとは東映への出演が増え、中でも菅原文太とのコンビで製作された「まむしの兄弟」シリーズ(71~75年)、「仁義なき戦い」(73年)などの作品で鮮烈な印象を残した。その後も、「大岡越前」「水戸黄門」「銭形平次」「キイハンター」「Gメン’75」など、数々の人気ドラマ・バラエティ番組などに出演、現在も活躍中。

 石原裕次郎との縁をきっかけに日活で俳優としてデビュー、数々の青春・アクション映画や東映の人気シリーズ「まむしの兄弟」などで独特の個性を輝かせた川地民夫。その存在に憧れ続けた天才テリーはまさに幸せの絶頂、次々と飛び出す銀幕の裏話に、ワクワクが止まらない!

テリー 僕らの世代にとって川地さんは憧れの人ですから、今日お会いできて本当にうれしいんですよ。

川地 それ、みんなに言ってるんでしょう?(笑)。

テリー いやいや、そんなことありませんよ。川地さんのデビュー作「陽のあたる坂道」を当時、映画館で観てビックリしたんですよ。

川地 それは何でですか?

テリー 川地さんは石原裕次郎さんの弟役で、ジャズ喫茶の場面では「ヤンパンパンパン、ヤンパンパン」っていう感じの歌を歌っているんですけど‥‥。

川地 うん、今で言うラップみたいな。

テリー そうです、そうです。メロディがあるのに、ないような感じで歌っていて。「(クレジットでは)新人って書いてあるのに、こんな歌を歌えるなんてすごい。こんなカッコいいヤツがいるんだ」と、とにかく衝撃的だったんですよ。また、僕の大好きな芦川いづみさんが恋人役でね。うらやましかったなぁ。

川地 アハハハハ、それは悪かったね。

テリー そもそも裕次郎さんの家の隣に住んでいたのが、デビューのきっかけなんですよね?

川地 ええ。そもそも石原家が、小樽から僕の家の隣に引っ越してきたんですよ。かなり古い話になるけど、うちの親父は、昔の横須賀海軍病院の薬局長だったんですが、戦後は米軍の病院になっちゃってね。そうすると、僕の家から病気が出ちゃいけないっていうので、米軍が食料を送ってくれるんですよ。

テリー へぇ。

川地 当時、食べるものなんてないじゃないですか。だから、朝になると俺の家は6人兄弟になっちゃうんですよ、慎太郎も裕次郎も、飯を食べに来るから(笑)。まあ、ずっとそんなつきあいだからね。

テリー すごい話だ(笑)。具体的に日活に入られたのは、どういう経緯で?

川地 「陽のあたる」の僕の役は、最初は津川雅彦君がやるはずだったの。ところが、監督の田坂(具隆)さんが「3000人(候補を)見たけど、どうしても気に入るヤツがいない」と。そしたら裕次郎が、「俺の家の隣に、バンドをやってる、ちょっと変わったのがいるよ」って言って、それで僕が呼ばれたらしいんですよ。

テリー 川地さん、バンドやられていたんですか?

川地 ええ。ハワイアンのバンドですけどね。

テリー そうか、当時、バンドといえば、ハワイアンかウエスタンしかないですものね。

川地 ロス・インディオスってバンドがありますけど、あそこの棚橋(静雄)、彼は僕と一緒にバンドをやってたんです。

テリー だから、あんな歌が歌えたんですね!

川地 だと思うんですけどねェ。

テリー いや、読者にも「陽のあたる坂道」の川地さんはぜひ観てほしいな。まだロカビリーの余韻が残ってた時代かもしれないけど、それとも違う感じで、実にカッコいいんですよ。

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