スポーツ
Posted on 2018年03月27日 05:59

選抜2度優勝の強豪・東海大相模は5試合で74安打の大会記録を持つ

2018年03月27日 05:59

 今大会、優勝候補の一角に挙げられている東海大相模(神奈川)は過去2回、春の選抜制覇を達成している。初めて優勝したのが2000年の第72回大会。エース・築川利希也(東海大‐ホンダ)を中心とした高い総合力を誇り、全国でも有数の戦力として大会前から評判が高かった。

 ところが本番では大苦戦。初戦の今治西(愛媛)戦は5‐0でリードしていた7回表に一挙5点を奪われ同点に。最後は延長10回裏に相手投手の暴投で辛くも勝利すると続く東洋大姫路(兵庫)戦では3‐2とこれまた接戦となったのだ。

 しかし、準々決勝でようやく投打がかみ合った。寺井健雄の2ランを筆頭に17安打9得点。投げては築川が3失点で試合を作り、9‐3で作新学院(栃木)に快勝。続く準決勝でも打線の勢いは止まらず、11安打11得点。11‐1と鳥羽(京都)を圧倒して、春通算3度目となる決勝戦へ。

 決勝戦は智弁和歌山との対戦となった。この大会、4試合で40得点と猛打で勝ち上がってきた相手である。試合は7回を終わって2‐2とたがいに譲らぬ互角の展開となっていた。しかし迎えた8回裏。東海大相模は先頭打者の松崎毅史が中前打をバントで送り、1番・楢原匠が勝ち越しタイムリー。さらに相手エラーで1点を追加し、ついに智弁和歌山を突き放した。エースの築川は11安打を浴びながらも堅い守りに助けられ、2失点完投。4‐2で勝利し、ついに初優勝を飾ったのである。過去2度の決勝戦では高知に5‐10、帝京(東京)に2‐3と惜敗しているだけに、まさに“3度目の正直”での優勝。同時に20世紀最後の春の選抜王者に輝いたのであった。

 この優勝から11年後。東海大相模は2度目の選抜制覇を果たす。前年夏の選手権での準優勝メンバーを多くそろえていて、優勝候補の一角に名をつらねていたが、その優勝の原動力となったのが破壊力ある打線である。初戦の関西(岡山)が9‐1、2回戦の大垣日大(岐阜)が13‐5、準々決勝の鹿児島実が2‐0、そして準決勝の履正社(大阪)が16‐2。準々決勝こそ相手投手のボークで決勝点を挙げる形で苦戦の展開だったが、ここまでの4試合で計60安打と猛打爆発だったのだ。

 迎えた決勝戦でもエース・三好匠(現・東北楽天)擁する九州国際大付(福岡)相手に2本塁打を含む14安打を放ち、相手を圧倒。6‐1で快勝した。

 なお、この大会で東海大相模が放ったヒットは5試合で実に74安打。これは1939年第16回大会で東邦商(現・東邦=愛知)が5試合でマークした73安打を72年ぶりに塗り替える大記録となり、現在でも大会通算最多安打となっている。果たして今大会で東海大相模の後輩たちは、先輩たちのこの記録にどこまで迫れるのか。

(高校野球評論家・上杉純也)=敬称略=

全文を読む
カテゴリー:
タグ:
関連記事
SPECIAL
  • アサ芸チョイス

  • アサ芸チョイス
    社会
    2025年03月23日 05:55

    胃の調子が悪い─。食べすぎや飲みすぎ、ストレス、ウイルス感染など様々な原因が考えられるが、季節も大きく関係している。春は、朝から昼、昼から夜と1日の中の寒暖差が大きく変動するため胃腸の働きをコントロールしている自律神経のバランスが乱れやすく...

    記事全文を読む→
    社会
    2025年05月18日 05:55

    気候の変化が激しいこの時期は、「めまい」を発症しやすくなる。寒暖差だけでなく新年度で環境が変わったことにより、ストレスが増して、自律神経のバランスが乱れ、血管が収縮し、脳の血流が悪くなり、めまいを生じてしまうのだ。めまいは「目の前の景色がぐ...

    記事全文を読む→
    社会
    2025年05月25日 05:55

    急激な気温上昇で体がだるい、何となく気持ちが落ち込む─。もしかしたら「夏ウツ」かもしれない。ウツは季節を問わず1年を通して発症する。冬や春に発症する場合、過眠や過食を伴うことが多いが、夏ウツは不眠や食欲減退が現れることが特徴だ。加えて、不安...

    記事全文を読む→
    注目キーワード
    最新号 / アサヒ芸能関連リンク
    アサヒ芸能カバー画像
    週刊アサヒ芸能
    2025/6/24発売
    ■620円(税込)
    アーカイブ
    アサ芸プラス twitterへリンク