社会

寿命を縮める「危ない外食」最新版(2)水に漬けてできるだけ大きく

 ところが、そうでないケースは少なくない。事実、数年前には加工肉を使用している大手ステーキチェーンで食中毒事件が発生し、メディアでも大きく取り上げられている。食中毒では、過去に死者が出たケースがあることもご存じだろう。河岸氏が続ける。

「食中毒の問題は加工肉に限ったことではなく、ハンバーグや餃子、ミートローフなど、肉をミンチ状にすれば全てに発生しうる。だから外食でその手の食品を口にする時は、牛肉であってもよく火が通っているか確認すること。特にお子さんと一緒に行くレストランなどでは、注意が必要です」

 激安肉には我々の知らない、驚くべきカラクリがあったのだ。

 もちろんそうした健康被害が及ぶ裏事情など、つゆ知らず、ステーキ定食にすっかり気をよくしたAさん。やはり安くてうまい店は自分で開拓しなければ‥‥というわけで翌日の昼休みに訪れたのが、オープンしたばかりの100円回転寿司だった。一昔前、高級と言われた寿司も一皿100円をうたう激安店の台頭により、今やすっかりサラリーマンランチの定番となった。

 だがこの回転寿司にもAさんを慌てさせる事態が起きている、と明かすのは河岸氏である。

「よく『値頃感』という言葉がありますが、これはその値段に見合った価格、という意味。そもそもネギトロと鉄火巻きが、かっぱ巻きと同じ値段設定であるはずがない。本来100円ではとうてい食べられないネタを無理やり100円にするから、結果、名前もわからないような深海魚などを代用魚として、ハマチやタイの振りをして出す。あるいはマグロのたたきに植物性油を混ぜ込んでネギトロの振りをして出すことになるんです」

 いや、マグロどころか、アカマンボウなる、よく似たまったく別の魚で代用しているケースもあるという。

 さらに小若氏は、激安店で出される牡蠣も肉同様、かさ増し食材だと指摘する。

「海水の中で育つ牡蠣を真水につけると浸透圧の影響で水を吸い込み、大きくなる。この性質を利用して、パック業者は牡蠣を真水につけ、できるだけ大きくしてからパックして冷蔵出荷するんです。つまり、消費者は単なる水膨れして味が薄くなった増量牡蠣を、おいしいと言って食べているわけです」

 冷凍の牡蠣フライにいたっては、増量した表面だけ解凍してそれに粉をまぶし、ドロドロのバッター液(小麦粉に卵などを混ぜたつなぎ)につけてパン粉をたっぷりまぶしたものだというから、開いた口が塞がらない。

 昨今では寿司職人を置かず、アルバイトで賄わせている寿司店も多いが、

「理由は簡単。寿司職人を雇ったら、1皿100円では出せないから(笑)。だからチェーン店系の某寿司店では、あらかじめ切ったネタを各店舗に配送し、それを寿司ロボットが作ったシャリの上に載せて提供するだけ、ということが普通に行われている。店で切ったものとただ載せたものとでは、同じネタでも味が全然違います」(河岸氏)

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