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記事全文を読む→NHKの悲願だった美輪明宏の紅白初出場
女装をした怪老人が霊的な発言をして聴衆を沸かせる。一般的には奇異に映る光景だが、他の誰でもない唯一無二の存在だからこそ、聴衆は耳を傾けるのだ。差別と戦いながら歌い続けてきた「愛の伝道師」、77歳にして初めて「紅白歌合戦」に出場する美輪明宏とはいったい何者なのか─。
「私は白と紅の中間の桃色組。衣装はヌードです」
11月26日に行われた、「第63回NHK紅白歌合戦」の出場歌手発表会見で、髪の毛はイエロー、身にまとうのは派手な白いファー付きのドレスという、怪しげなオーラを放つ白組の老齢歌手がそう挨拶すると、会場は笑いに包まれた。
初出場の最高齢記録を樹立した、美輪明宏(77)である。
「発表の1週間ほど前に芸能界の有力者が『美輪さんが出る』と報道陣に吹聴していましたが、本人はNHKへの配慮で『出るわけないでしょう』と隠し続けた。それだけに、この日のサプライズ発表で、『今年の目玉』と一気に注目が集まっています」(スポーツ紙芸能デスク)
NHKにとっても、美輪の紅白出場は悲願だった。
05年にスタートした「オーラの泉」(テレビ朝日系)でスピリチュアルブームが生まれたことも一つにはあるが、加えて歌手・美輪明宏の価値が近年、再評価されているというのだ。
「美輪の代表曲『ヨイトマケの唄』が、桑田佳祐ら複数の歌手にカバーされたことで再び脚光を浴び、美輪の世界観に信者が増えているんです。NHKは08年より、紅白出演の近道とされる番組『SONGS』にたびたび美輪を呼んで、紅白出演へのアプローチを続けてきた」(NHK関係者)
しかし、美輪の返答はこれまで「出る必要はない」だったというが、とうとう今年、満を持して出演を承諾したのである。
会見で美輪は、「ヨイトマケの唄」がヒットした50年前にも紅白出演のオファーがあったことを明かし、「事情があって辞退させていただきました」と話した。
日雇い労働者の母親をテーマに歌った「ヨイトマケの唄」はかつて、「差別的表現がある」との理由で放送禁止歌に指定されていたために一部歌詞の変更、3分程度の持ち時間という都合上、6分を超える同曲のカットなどを求められたことが辞退の理由だったと言われている。
芸能評論家の三杉武氏が解説する。
「今回の出演は、それがクリアされたということでしょう。たとえ『ヨイトマケの唄』をオリジナル歌詞でフルコーラス歌おうが、あの人にたてつく出場歌手などいませんよ。長渕剛の海外中継に苦言を呈した北島三郎や、植村花菜の長時間演奏に怒った和田アキ子でも、同様の姿勢は見せられないでしょう」
紅白という華やかな舞台には1度たりとも立っていないが、歌謡界においては性別を超えた別格扱いの“怪人”。それが美輪明宏なのである。
何も、霊的な発言を繰り返していることで、おどろおどろしい存在として遠ざけられているからではないだろう。
美輪が築いている特異なポジションは、演者として圧倒的なパフォーマンスを見せることはもちろんだが、同性愛者であることを隠さずに差別と戦ってきたことを含めた、数奇な運命が根本にあってこそではないだろうか。
アサ芸チョイス
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