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記事全文を読む→ガッツ石松のOK偉人牧場<幕末~維新の志士>(3)酒飲むフリして「暗殺待ち」
その点、西郷さんほど目立たないように、じっと耐えて耐えて明治政府を担うようになった大久保さんは、安倍さんみたいな人かもしれないな。最後は紀尾井坂で暗殺されちゃったけどね。
暗殺したのは石川県の不平士族だけど、彼らはもともと西郷派だったんだよね。紀尾井坂をずっと上がったところの料亭で、彼ら暗殺隊は毎日毎日、飲んだり食べたりしてたんだな。いつも大久保さんが通るのは大きな道だから、待ち伏せが難しい。でもこっち(紀尾井坂)は細い道で、待ち伏せしやすい。大久保さんがいつ来てもいいように、紀尾井坂の上の店で酒飲むフリして待ち構えてたわけだよ。それで「今日はこっちの道だ」って内通者からの情報を得て「よし」ってことで暗殺した。緻密に計画された暗殺だったんだな。
俺が思うに、大久保さんは二番手の器なんだろうな。二番手の人間が一番手になろうと思ってもダメなんだよ。主役は主役、脇役には脇役なりの持ち場があるんだね。大久保さんはある意味、西郷さんの脇役だったのに、「俺がやる」って主役に立ったからやられちゃったんだよ。
この2人は好対照だな。歴史の表舞台で立て役者になった西郷さんと、裏で歴史を動かした大久保さん。大久保さんが表舞台に立たずに最後まで黒幕で終わったら、本当に歴史に残るヒーローになったんじゃないの。
そこいくと、徳川の幕臣の勝海舟っていうのは優秀なブレーンだな。西郷さんと話し合って江戸城を無血開城したっていうけど、この人は「260年続いた幕府をここまで追い詰めたっていうのは偉い!」ってことで、西郷さんをほめたたえた。なかなか敵をほめるなんてことはできないよ。
西郷さんもあれだけの人間だから、話し合いの場で勝海舟という人間の本質を見てたんだろうね。「江戸で戦っても灰しか残んないんだから」とか、あーだこーだ言う勝さんの話を聞きながら「こいつは何を言わんとしているのか」と見極めてた。もしも自分の命ごいのためにあーだこーだ言ってるんだったら「徳川なんか残す必要ない」と江戸を焼き討ちしてただろうね。勝さんが自分だけいい目見たい人物なら、「俺も仲間に入れてくれ」ぐらいのこと言ってもおかしくないわけだから。
ところが勝さんは本気で江戸を戦火から守ろうとしているうえに、自分の親方の将軍・徳川慶喜も守ろうとした。その本心を知った西郷さんは「江戸を攻めるのをやめろ」と。「一流は一流を知る」っていう言葉があるけど、どっちも一流だな。
勝海舟っていえば、勝新太郎さんだね。勝新さんの名前は勝海舟から取ってるんじゃないのかな。勝海舟は江戸無血開城だけど、勝新さんは酒ばっかり飲んでて銀座無血開城だな。歴史に残る偉人じゃないけど芸能史には残る偉人ってことで、勝新さんもOK偉人牧場入りだ。私のゴルフコンペにも出てくれたんだし。
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