社会

ガッツ石松のOK偉人牧場<現代のヒーロー>(2)毎晩「オールド・パー」を1本…

 角さんは日本の高度成長期を支えて、日本の針路を作った偉人じゃないかな。あの時代に腰折れの指導者だったら、昭和48年あたりの石油危機の段階で、日本はまだ発展途上だっただろうね。「日本列島改造論」で高速道路をバンバン造って、急激に発展してきたわけだから。日本がこれだけの国になったのも、角さんの功績だと思うね。

 それだけのことをできたのも、いい番頭がいたからだな。金丸さんに竹下さんとか。それが、あるところから一人二人と離れていった。リーダーには強引なところも必要だけど、後先も考えないとダメなんだね。

 角さん失脚の一番の原因は、中国との国交正常化。あれは一つの偉大な功績でもあるんだけど、アメリカにしたら「俺たちのハンコももらわないで国交正常化なんかしやがって」と。アメリカにとって日本はあくまでも「一つの州」だから。「アメリカの属州のくせに冗談じゃねー」というのが本音にあるんだね。

 もう一つは石油。角さんはアメリカを通さないで直接カナダと取引しようと思って、水面下で動き始めたんですよ。それを知ったアメリカが「そこまでやるか。田中を潰せ!」と。つーことで、ロッキードのピーナッツでスキャンダルを仕掛けたわけだ。アメリカにハメられたんだな。日本の舵取りをしてた角さんは、舵を取られちゃった。それで角さんにくっついてた金丸さん、竹下さん、小沢さん、みんな離れていった。

 晩年の角さんは側近がどんどん抜けちゃった悔しさと寂しさから、毎晩酒飲んでたらしいね。オールド・パーを飲みながら「俺はアジャパーだ」つって、毎晩1本空けてたっていうから。ある意味ではアメリカのせいで政治生命を絶たれたうえに、本当の命まで絶たれたっていう感じだな。

 ガッツ的には角さんは独断すぎたのかなと思うね。学歴もない、コネもない、ゼロから出発して自分で全部築き上げてきた人は自分を信じてるから、独断専行っていうところがあるんだよね。何でもかんでも「俺が俺が」と、全部自分の力でやろうとする。そこが魅力でもあり、欠点でもあり。

 角さんみたいな人は、武将の時代だったらよかったよね。金の使い方も人を配置するのもうまいし、力もあったし。武田信玄じゃないけど、そういう武将になれたんじゃないのかな。力でグイグイいける時代はよかったんですよ。それがやがて力だけではうまくいかない時代になったんだね。時代が角さんを育てたし、時代が角さんを滅ぼした。田中角栄という人は、そういう偉人じゃないのかな。

カテゴリー: 社会   タグ: , , , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<マイクロスリ―プ>意識はあっても脳は強制終了の状態!?

    338173

    昼間に居眠りをしてしまう─。もしかしたら「マイクロスリープ」かもしれない。これは日中、覚醒している時に数秒間眠ってしまう現象だ。瞬間的な睡眠のため、自身に眠ったという感覚はないが、その瞬間の脳波は覚醒時とは異なり、睡眠に入っている状態である…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<紫外線対策>目の角膜にダメージ 白内障の危険も!?

    337752

    日差しにも初夏の気配を感じるこれからの季節は「紫外線」に注意が必要だ。紫外線は4月から強まり、7月にピークを迎える。野外イベントなど外出する機会も増える時期でもあるので、万全の対策を心がけたい。中年以上の男性は「日焼けした肌こそ男らしさの象…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<四十肩・五十肩>吊り革をつかむ時に肩が上がらない‥‥

    337241

    最近、肩が上がらない─。もしかしたら「四十肩・五十肩」かもしれない。これは肩の関節痛である肩関節周囲炎で、肩を高く上げたり水平に保つことが困難になる。40代で発症すれば「四十肩」、50代で発症すれば「五十肩」と年齢によって呼び名が変わるだけ…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , |

注目キーワード

人気記事

1
「京都崩壊」の信じがたい現実…外国人観光客専用都市に激変した「不気味な風景」
2
商品価値が落ちたヤクルト・村上宗隆「メジャー計画変更」で大谷翔平と同じ道を
3
土壌ラドン濃度・衛星観測・上空発光…火山噴火と大地震「前兆キャッチ」の新技術がスゴイ!
4
山尾志桜里の「公認取り消し」騒動を起こした玉木雄一郎は「榛葉幹事長人気に焦った」って!?
5
フジテレビ・山本賢太アナが行方不明に!? 「代役」登場と「謎のテロップ」