政策でことごとく対立してきた
11月27日投開票の大阪市長選が本格的に動き出した。今月19日に現職の平松邦夫市長(62)が再選を目指して立候補を表明。大阪府知事からの鞍替え出馬を示唆する橋下徹氏(42)との一騎打ちに注目が集まっている。
07年11月に大阪市長に当選した平松氏と、08年1月に大阪府知事に就任した橋下氏。最初は蜜月だった2人だが、その関係は徐々に悪化。最近は、選挙戦を意識してか敵意.き出しの応酬を続けてきた。橋下知事が、「(平松市長は)政治的センスがない」と〝口撃〟すれば、9月17日には、橋下氏の政治手法を議論する「橋下主義(ハシズム)を斬る」というシンポジウムが大阪市内で開かれた席には平松氏が参加。自治体改革や教育行政に政治主導を打ち出す橋下氏の姿勢をファシズムにかけて批判的に検証する異例の集まりだった。まさに両者の遺恨はエスカレートするばかりなのだ。
府政担当記者が振り返る。
「2人の衝突の発端は府市 水道事業の統合計画だった。就任当初、二重行政の解消を目指した橋下知事は平松市長と話し合い、統合について協議を開始した。しかし、運営方式を巡り市長と合意ができず、計画は昨年に破綻。この時、橋下知事は『水道程度ですらダメだったのだから、この先の提携はもっと難しい』と周囲に話したそうです」
案の定、その直後に大阪市営地下鉄の民営化問題でもまたぶつかった。完全民営化を求める橋下氏に対し、線路などのインフラは市が所有、運行部門だけを私鉄との共同株式会社で担う「上下分離方式」を進めたい平松氏。ここでも両者の主張はかみ合わなかった。市政担当記者が解説する。
「平松さんは橋下知事の民営化論をかわすためにあえて『上下分離方式』を採用した。多額の税金を投入している地下鉄インフラを所有することで、市の基盤を守る姿勢を市民に訴えた。知事の民営化論に対抗するのが最大の狙いで『橋下の意見には意地でも耳を貸さない』という気持ちがあからさまに表れていた」
そこで業を煮やした橋下氏が10年4月に旗揚げしたのが地域政党「大阪維新の会」(以下、維新の会)だった。大阪府と政令指定都市の大阪・堺両市を再編するという「大阪都構想」を掲げ、鳴り物入りで大阪の行政に殴り込みをかけたのだ。平松氏が賛同しなければ、知事を辞職し、大阪市長選に立候補する意向を示したのもこの時だった。
結成以来、橋下氏のもとには地方議員が続々と馳せ参じ、府議会では約2カ月間で自民党会派を上回る最大会派に。発足時にわずか1人だった大阪市議会は自民党会派から維新の会に鞍替えする議員が相次ぎ、2カ月間で11人に急増した。「大半の市議は当初、大阪都構想に猛反発しました。自分たちの存在を否定する構想ですからね」(前出・市政担当記者)
そんな彼らを狼狽させたのがその年の5月。福島区の大阪市議補選で、「維新の会」の公募候補が既成政党の各候補を退けて圧勝したのだ。
「橋下知事の圧倒的な集票力を見せつけられ、現職市議たち、中でも支持層が重なる自民党会派の議員たちは浮き足だちました。翌年に統一地方選を控え、みずからの生き残り策の再考を迫られたわけです」(前出・市政担当記者)
維新側はこの時とばかりに切り崩し攻勢をかけた。ターゲットはむろん自民党会派の市議たち、とりわけ、支持基盤の固まっていない若手議員を狙った。殺し文句は「こちらに来なければ、統一地方選で対立候補を擁立する」だったというからまさに宣戦布告だ。
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