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記事全文を読む→弘兼憲史「“島耕作流”ニッポン経営サバイバル」(1)尖閣を実効支配するシナリオ
累計3900万部を誇る「島耕作」シリーズ。綿密な取材に基づいたリアリティと、エンターテインメントが融合したビジネスマンの物語は幅広い年齢層に愛されている。超大国となった中国、成長するアジア、極東の端で小舟のごとく揺れる日本企業が生き残る方法が明かされる──。
「習近平氏について、どう思うか?」とよく質問されますが、私は彼がどういう方向にしたいのかというのはまだ見えていません。
もともと江沢民の弟子なので、江沢民の対日強硬路線を踏襲していると言われていますが、実はそれほどでもないという情報もある。さらに、文化大革命を否定している「太子党」のメンバーでもあったし、自身も下野された経験もありますから、毛沢東思想のようなものには恨みを感じているとも言われている。ただ、一つわかっているのは彼が国内暴動に非常におびえているということでしょうか。尖閣諸島問題は国内の不満から、人々の目を背けるためという説もあります。
昨年11月に始まった習近平体制は発足直後の10日間で3件の大規模な暴動事件があったと言われている。しかも、そのうちの一つは習氏がトップを務めていた福建省寧徳市で起きた。1万人規模が暴徒と化し、警察署などを襲撃している。高まる民衆の不満、そのガス抜きに対日強硬路線を利用していれば、その行く着く先は軍事衝突ではないかと懸念する声もある。
私は国家レベルでの軍事衝突の可能性は低いと思っています。その最大の理由は「軍事力の差」です。いくら国防費が毎年のように膨張しているといっても、中国軍の装備は自衛隊に比べたら10年は遅れています。しかも、日本は最先端の兵器や軍事衛星を持つアメリカ軍と連携しています。中国という国は、「孫子の兵法」ではないですが、勝てる見込みのある相手は侵攻しても、勝ち目のない相手には挑みません。ただ、互いに意図しないのに交戦状態になるおそれはあります。
今年1月に起きた海上自衛隊の護衛艦「ゆうだち」に対して、射撃管制用レーダーが照射された事件では、中国軍幹部による証言などから、現場の艦長による独断だったと言われている。
しかし、中国側が軍事力を一切使わず、「尖閣の実効支配」に踏み切るという可能性はあります。実はこのシミュレーションを、「社長 島耕作」の中で描いています。
まず、嵐の日に遭難を装って、「漁民」に扮した人民解放軍の兵士7~8人がゴムボートで魚釣島上陸します。その動きを察知した海上保安庁が彼らに出頭するよう呼びかけるのですが、彼らはこう言うわけです。「ここは中国固有の領土なので、我々は中国の公船が迎えに来るまでは、出ていくわけにはいかない」
こうして、中国政府の船が魚釣島に上陸する大義名分ができるわけです。もちろん、日本からするとそんなことは認められません。そこで折衝などを続けていくうち、島にいる人民解放軍がそこで生活を続け、日本固有の領土を示す日本人の住居跡や石垣市の行政標識などを破壊して、代わりに中国固有の領土であることを示すものを建ててしまう。竹島と同じで「実効支配」の出来上がりです。
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