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21世紀プロレス衝撃バウト「棚橋弘至が明かす“世界一レスラーの流儀”」

 IWGPヘビー級王座を過去最高の11回連続防衛。棚橋弘至(36)は「冬の時代」と呼ばれた頃の新日本プロレスをエースとして支えてきたのだ。オカダにタイトルを奪われ、無冠となった今だからこそ、率直な思いを語り尽くした。

 僕はアメリカで、2年連続「世界一のレスラー」に選ばれたけど、日本では、相変わらず「新日本らしくない」「新日本のカラーを壊した男」とか言われてます。もっとも、それは、僕にとっては、ほめ言葉なんですけどね。

 初めてIWGPチャンピオンになったのが06年。最初に思ったのは「全部変えよう」です

 今までどおり、硬い頭で「これが新日本だ!」とやっていても、集客が下がるだけ。僕は「ストロングスタイルの呪い」と呼びましたが、皆さん、イメージで目が曇っていたんですよ。過去は美化されるから。過去の新日本、凄い試合もあるけど、「えっ?」っていう試合もある。なのに凄い試合しか記憶に残らない。

 結果、「新日本=ストロングスタイル、強さ」みたいなのが刷り込まれてしまう。それも大事ですけど、総合格闘技ブームもあったりしたから、それだけではお客さんを引っ張ってこれない。その部分にこだわっているのは愚の骨頂。だから、誰に相談するわけでなく、「プロレスを見たことのない人に、プロレスを好きになってもらう」ために、積極的にマスコミへ露出しだしたんです。

 そんな中で生まれたのが、軽いノリの「チャラ男」キャラ。新日本のカラーを壊した張本人ですね。

 でも誰と誰が抗争しているなんて、誰も興味ないんだから、何か興味を抱かせるものを提示しないと。

 粗暴、怖い、流血といったプロレスの悪いイメージのため、入り口で止まってしまう女性たちがいるわけです。そこで「確かにいかつくて怖い男もいる。でも俺がいるよ」と知らせてあげる。会場に観に来てくれれば、盛り上げて、楽しませて、プロレスを好きになってもらえるという自信がありましたからね。

 実際、初めてプロレスを観に来て、ファンになってくれた方がたくさんいた。逆に、プロレスを離れた人を、もう一度振り向かせる作業のほうが難しい。

「俺らの時代はこうだった」と言われても困るんですよね。今も昔もプロレスはおもしろいんですけど、ストロングスタイルの呪いというのが強敵で。だから、それはそれとして、1人でも多くの人にプロレスを観てもらおうと。今、女性ファン、家族連れが多くなっているのは、そうした地道なプロモーション活動があったからです。

 (親会社が)ブシロード体制になり、木谷高明社長(現会長)と初めて食事した際に、「マニアがジャンルを潰すんだ。ライトユーザーという言葉はよくないけど、新規のファンをいかに増やしていくかが、ビジネスの鍵だ」と言われたのですが、それって僕が実践してきたことですよね。

 客層が2周りぐらい変わって、会場が、ようやく「今のプロレスが好き」だという方のものになってきたなと思った時に、現れたのがオカダですよ。去年2月にタイトルを取られたあとは、自分が耕し、ようやく実らせたところを刈り取られた気がした。でもそれは「歴史は繰り返す」ということで。僕も武藤さんの耕したいい実をもらいましたから。

 オカダは時代の寵児。今も試合するごとに成長していて、底が知れない。何よりレインメーカーというキャッチコピーが、全てをねじ伏せてしまう。会社を潤す、カネの雨を降らすというのに「そうはさせない」とは言えないですから。

 オカダは、全てのプロレスの常識をひっくり返しましたよ。僕は今、36歳で脂が乗り切っているのに、もう交代された。しかも11歳年下に。悔しいですよ。でもまだ半年あるから、後半巻き返して、年間MVP取ります。僕はもっともっと有名になって、これからもプロレスを盛り上げていきますから。

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