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記事全文を読む→零細企業助成金廃止で「社員総アルバイト時代」に(1)5年かけて地獄に叩き落とす
アベノミクスがやろうとするのは結局のところ、決して高くはない給料で生き延びている労働者や中小企業経営者を排除することにあるのではないか。そうとしか思えない制度、法改正の実例をここに示したい。事実、被害を被る経営者が本誌に悲嘆の声を上げ、憤懣を吐き出すのだ。
アベノミクスの「3本目の矢」に当たる成長戦略のロードマップ(工程表)草案が6月第1週にも発表される見通しとなった。
先週号でお伝えしたように、安倍晋三総理(58)は不評を買った「正社員クビ切り自由化法案」をロードマップから引っ込める一方で、7月の参院選を乗り切ったそのあとをニラみ、サラリーマンの息の根を止める別の「解雇自由化」をひそかに準備している。
しかし同時に安倍総理は、このロードマップ草案にサラリーマン殺しの時限爆弾をこっそり仕掛けておくことも忘れなかった。その1つが、「雇用を維持するための助成金を縮小または廃止してしまう」という法改正だ。自民党本部の政調関係者が指摘する。
「中でも安倍総理が狙いを定めているのが、雇用調整助成金。もちろん、もくろみは縮小ではなく廃止です。この助成金が廃止されると、町工場などの製造業、土木建築業といった、長い不況下で窮地に追い込まれているモノ作り産業を中心に膨大な失業者が発生し、賃金のはるかに安いサービス産業などへの転職を強いられるだけでなく、日本からモノ作り産業が消滅してしまう事態にもなりかねません」
なぜ製造業や建設業がヤリ玉にあげられるのか。それは、安倍総理がこの業界従事者を「余剰労働力」と位置づけているからにほかならない。
ロードマップ草案の取りまとめに向けた5月29日の産業競争力会議(議長・安倍総理)では、今後5年間が「緊急構造改革期間」と位置づけられた。5年間かけてサラリーマンを地獄に叩き落とす─。何のことはない、安倍総理は小泉改革の反省に立つどころか、長期政権を見通してヤル気満々なのである。
「雇用調整助成金」とは、景気悪化などで売上高や生産量が減少しても、休業や出向、教育訓練で雇用維持を行おうとする企業に、国が賃金や手当の一部を補助し、企業の経営を助ける制度。いずれの場合も国が相当額の3分の2を補助する仕組みで、現在およそ70万人がこの制度の恩恵に浴している。
「基本的な支給条件は、最近3カ月間の売上高または生産量の月平均値が、直前の3カ月または前年同期のそれに比較して10%以上減少していること。安倍総理はこの支給条件を助成率も含め大幅に厳しくしたうえで、助成金そのものをなし崩し的に廃止してしまおうと企てているんです」
前出の政調関係者はこう明かすが、安倍総理が狙っているのは雇用調整助成金の廃止だけではない。
「実は、同様の趣旨で支給されている中小企業緊急雇用安定助成金も、縮小から廃止の方向で検討が進められています」
こちらの支給条件も売上高または生産量の「10%減少」となっているが、助成率については雇用維持のための休業や出向や教育訓練にかかる相当額の5分の4と、雇用調整助成金に比べて高くなっている。
◆ジャーナリスト 森省歩
アサ芸チョイス
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