社会

医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<骨粗しょう症>「男性ホルモンの減少と生活習慣病で骨折の危険」

 ちょっとつまずいただけで骨折してしまい、病院に駆け込んだら「骨粗しょう症です」と医師に言われて衝撃を受けるケースがある。

「骨粗しょう症」とは、骨密度の低下や骨質の劣化などで骨の強度が低下し、中身がスカスカになり、骨折しやすくなる病気。閉経後の女性に多いイメージだが、実は男性にも増加している。国内の患者の推計は、約1280万人。そのうち4人に1人は男性で、70歳以上になると女性の半数にもなると言われている。

 特に、男性は女性より重症化しやすい傾向がある。寝たきりになったり、最悪の場合、死亡につながる割合は、男性のほうが高いのだ。そのため予防・早期発見が重要と言えよう。

 原因は男性ホルモンの減少に加え、特定の病気や薬などによって起こることが多い。特に、糖尿病、高血圧、脂質異常症、慢性腎臓病、動脈硬化などの生活習慣病や、心血管や脳血管系の疾病からくると言われている。

 生活習慣病を抱えている人は、その治療を行うだけでなく、同時に骨粗しょう症の予防をすべきだ。

 お勧めは、骨に負荷を与える筋トレや、ウオーキング。特にウオーキングは、運動の効果に加えて、ビタミンDを体内で合成するために必要な日光浴ができるという点で一石二鳥。また、スクワットなどの荷重がかかる運動を習慣的に行うことで、骨密度が上昇する。

 食事は、乳製品や大豆製品、魚介類、海藻類などのカルシウムの多い食品や、きのこ類、イワシ丸干しや鮭、サンマなど、ビタミンDを多く含む食品も積極的に摂ることを心がけて。

 男性もリスクが上昇する60代に入ったら、一度は骨密度検査を受けてみてほしい。

田幸和歌子(たこう・わかこ):医療ライター、1973年、長野県生まれ。出版社、広告制作会社を経てフリーに。夕刊フジなどで健康・医療関係の取材・執筆を行うほか、エンタメ系記事の執筆も多数。主な著書に「大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた」(太田出版)など。

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