社会
Posted on 2020年05月07日 05:55

医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<気象病>「『不定愁訴』と『天気痛』『気象病外来』もある」

2020年05月07日 05:55

「雨の日になると頭痛がひどい」「肩凝りが悪化したと思ったら台風が近づいていた」──季節の変わり目は、気圧や気温、湿度の関係で体調を崩す人が多い。天気が原因で起きる体調不良は「気象病」かもしれない。

「気象病」は、気圧の変化で引き起こされる。大別すると、イライラやめまい、肩凝りなど、検査しても原因が特定できない「不定愁訴」と、関節痛やリウマチ、片頭痛など、持病が悪化する「天気痛」に分類される。

 現代生活では気圧による体の変化は比較的頻繁に感じることがある。例えば、飛行機に乗ると体がむくんだり、スキューバダイビングなどで海に潜ると、体がギュッと縮むような体の変化を感じるのも、気圧の変化が原因だ。気圧の変化により交感神経の活動が優位になり、心拍数や血圧が上がることで発症する。

 近年では、気圧の変化と体調不良には「内耳」が関わっていることもわかってきた。「内耳」は体の平衡感覚をつかさどる器官だが、気圧の変化を感知する箇所がある。自律神経が乱れやすい人だと、「内耳」が脳に信号を送る際に、脳に混乱を生じてしまって交感神経を興奮させ、めまいなどを引き起こすのだ。

 対症療法として「体が重い」「気分が沈む」などの場合は、ゆっくりお風呂に入ることが効果的だが、「片頭痛」や「めまい」の症状ではかえって血管を拡張させてしまう。そのため、逆効果になることも。その場合、市販の酔い止め薬の服用をおすすめしたい。これは車酔いと似たメカニズムで引き起こされる症状だからだ。首の後ろなどを冷やすのもよいだろう。

 気象病の症状は、自律神経が乱れている人に出やすい。改善するには、規則正しい生活リズムや十分な睡眠、適度な運動を習慣づけることが必要。「気象病外来」を設けている病院・クリニックもあるので、一度受診してみるのもいい。

田幸和歌子(たこう・わかこ):医療ライター、1973年、長野県生まれ。出版社、広告制作会社を経てフリーに。夕刊フジなどで健康・医療関係の取材・執筆を行うほか、エンタメ系記事の執筆も多数。主な著書に「大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた」(太田出版)など。

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