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記事全文を読む→ビートたけしの名言集「事務所社長の殿が給料明細を手渡す儀式」
「おい、お前ら、これ、今月のやつだ」
2年程前、殿の事務所独立に伴い、わたくしも当時所属していた「オフィス北野」から、殿が立ち上げた新事務所「T・Nゴン」へと、ありがたいことに移籍させていただいたのですが、事務所を移り、まず真っ先に現れた変化は、冒頭の言葉から始まる月末の“あるやり取り”です。
説明します。新事務所立ち上げとともに「社長」となった殿は、毎月末に所属タレントであるわたくしに、その月の給料明細(わたくしたちタレントは歩合制ですので、毎月、何かと給料額が変動します)を渡すのがルーティンとなり、その際、殿は先のお決まりの言葉でわたくしを呼びよせるのです。まさか、子供の頃から(正確には小学校4年生から)あこがれていた、テレビの中の“あのビートたけしさん”から毎月、働いた分の給料明細を手渡しで受け取る日が来るとは、人生、つくづく何が起こるかわかりません。
で、毎月のこの“儀式”の際、社長である殿から、「どうだ。今月もちゃんと働いたか?」とか「経理の人が言ってたけど、今月、お前、けっこういいらしいな」等々、師匠というより、所属事務所の社長としてのひと言が何かしら添えられます。もちろん、そこは芸人の師匠と弟子のやり取りですから、時には少しばかりふざけたものになったりもします。去年の冬、わたくし史上、過去最高の給料を記録したことがあったのですが、その明細を渡された時のやり取りを思い出すままに記しましょう。
殿 お前、今月、すごいことになってるらしいな。やるじゃねーか。
わたくし ありがとうございます。夢のようです。そこでひとつ提案ですが、もしあれでしたら、いくらかお貸ししましょうか? ちなみに金利はトイチ(10日で1割)ですが。
殿 あー、そう。とりあえず間に合ってるから、今月はやめとくわ。
で、殿、いや“社長”は、所属タレントに大変優しく、つい先日など、「おい、これ、とりあえず渡しとくわ」と、わたくし、そしてもう1人の所属タレントの2人に、唐突にマスク20枚を支給してくれたりもします。
さらに、新型コロナウイルスが日本で猛威を振るう少し前、今年の1月頭には、
「今年はお前ら連れて、社員旅行がてら、ドバイにでも行くか」
と、実にうれしい計画を提示してくれこともありました。こういった時、わたくしは、普段の呼び方の「殿」ではなく、「社長、どこまでもお供いたします!」と、生まれ持っての子分肌を生かし、存分にはしゃぎます。
最後に、つい先日、社長から頂いた言葉をどうぞ。
「お前ら、あれだ。コロナが明けたら宴会やるからよ、うちに飲みに来い。だけど宴会やった途端クラスターが発生して、みんなくたばったりしてな」
社長! コロナが明けた暁には、宴会、そしてドバイと、何卒、よろしくお願いいたします。
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◆プロフィール アル北郷(ある・きたごう) 95年、ビートたけしに弟子入り。08年、「アキレスと亀」にて「東スポ映画大賞新人賞」受賞。現在、TBS系「新・情報7daysニュースキャスター」ブレーンなど多方面で活躍中。本連載の単行本「たけし金言集~あるいは資料として現代北野武秘語録」も絶賛発売中!
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