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記事全文を読む→半沢直樹“最終回、幻のラストシーン”(3)頭取に100万倍返しする日が本当の最終回
そもそも「半沢──」では出向は悪いものとして印象づけられていた。
ところが、これに反論するのが都市銀行OBで「銀行員のキミョーな世界」(中公新書ラクレ)や「老後のお金は40代から貯めなさい」(小社刊)の著者の津田倫男氏だ。
「半沢が出向になるという結末に、 多くの人が驚いたと思いますが、現実の銀行では頭取とヒラ以外は全員出向するのが当たり前なんです。赴任先で成果を上げて勲章をつけて戻ってくることもあり、出向は片道切符の島流しというのは少々オーバーなんです」
「出向=左遷」というのは実際の銀行員の処遇とは大きく異なるというのだ。
しかも、半沢の証券会社への出向についても、
「一見すると、半沢は左遷されたように見えますが、次長から部長へ昇格しています。出向先の会社が1段格落ちする系列会社と考えれば、実質横滑りの人事になるわけです。証券会社を建て直すという特別なミッションを成功させ、再び戻ってこいという期待を込めた出向でもあるのです」(前出・津田氏)
さらに、メガバンク特有の「たすきがけ人事」というルールを知っておかなければ「半沢──」の世界を語れないのだ。
「大合併の末に誕生したメガバンクでは、派閥のバランスを考慮した昇進をしていくのです。例えば、みずほ銀行HDでは、会長が旧第一勧銀出身なら、社長は旧興銀出身で、副社長が旧富士銀出身と、三すくみの体制になっています。ゆえに、不祥事が発覚した際も、1つの派閥ばかりが辞任するというような偏った処分にはならないことが多いのです」(前出・津田氏)
ドラマでは、大和田が旧産業中央銀行出身(旧S)、中野渡謙頭取(北大路欣也=70=)が旧東京第一銀行出身(旧T)として設定され、2人が派閥の領袖として対立構図を作っていた。
ところが、原作小説では中野渡と半沢が旧S、大和田が旧Tと反対なのである。旧Tの大和田が出向待ちを意味するヒラ取締役に降格となったバランスを取り、旧Sの半沢にも一時、精鋭が集う本店営業第二部から外されることが決まる。原作では「たすきがけ人事」が描かれている。
さらに、前出・津田氏はこうも言うのだ。
「銀行という組織の中では上司を成敗した半沢が出向するのは、喧嘩両成敗という論理が成り立ちます。一方で気になるのは頭取の腹黒さがかいま見えることです。頭取の座を虎視眈々と狙う大和田という毒を半沢という劇薬で取り除いた。半沢の出向も、大和田を手なずけるために邪魔な半沢を外に出したという見方もできます」(前出・津田氏)
ドラマと現実を照らし合わせると、半沢の本当の敵とは‥‥。
前出・ペリー氏はこう話した。
「本当の吉良上野介は、中野渡頭取なのではという気がしてきました。こうなると、頭取・半沢直樹になるまでの銀行大河ドラマが楽しめそうですね」
半沢は「俺はもっと上に行って、やることがあるんだ」と宣言し、目指すは頭取であった。「半沢直樹」の本当の最終回は最後の巨悪である頭取を100万倍返しする日なのかもしれない。
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