芸能

原田大二郎 過酷な撮影だった「Gメン’75」を降板した理由は?

テリー それまでの原田さんのイメージっていうと、やっぱり「Gメン’75」の関屋みたいな。

原田 初期メンバーだし、僕を知ってくれた人がいちばん多い作品ですから。ただ僕、23話で降りてるんですよ、神経衰弱で。ノイローゼになっちゃった。

テリー あれ、そうでしたっけ。なんで?

原田 まず、千葉(真一)さんの「キイハンター」からずっとプロデューサーをしていた近藤(照男)さんという方が僕を何かで見て、「こいつを使いたい」って、局の反対を押し切って、起用してくれたのね。で、最初の撮影が滑走路を歩くシーンだったんですよ。

テリー あ、あの有名なオープニングの。あれ、どこなんですか。

原田 普通の民間の土地ですよ。今は家がたくさん建ってるけど、当時はまだ1軒もなくて、空き地の中に道路があってね。

テリー えっ、あれ飛行場じゃないの?

原田 違うんです。で、朝行ったら、小道具の人たちが1枚1枚ベニヤ板を敷いて「75」の文字を作っててね。だから、あれ、全部ベニヤ板なんです。

テリー そうなんだ、全然わからないね。

原田 うん。僕も朝から「すごいなぁ」なんてね。ところが、あの現場は初日からとにかく一日中走るわけですよ。で、2日目には(股の付け根を指して)ここに関節痛が来て。だいたい関節痛って(太ももの下のほうを指して)来るのは膝のあたりですよ。それがここに来て、どうしようもないのに、それでも走るわけ。

テリー まぁ、当時のドラマはね。

原田 そしたら20本目の撮影が終わったあたりで疲れのピークが来たのかな。初回の試写をみんなで見てたら、近藤さんが「大二郎、お前疲れてるぞ」って言うの。「気をつけろよ」って。それでカチンと来てね。

テリー えっ、なんで?

原田 疲れさせてるのはあんただろうって。なにしろ3月ぐらいに撮影に入って、6月ぐらいまで休みなしなんだから。その間、船のハッチに落ちるわ、いろんな命がけのシーンも撮ったのに、それを「疲れてる」のひと言で済ますとは何事だと思ってさ。

テリー そういうことか。

原田 それでうちに帰って、その時の監督だった山口(和彦)さんに、「山ちゃん、ちょっと悪い、俺降りるから。近藤さんに伝えといて」って。

テリー 言っちゃったの?

原田 言っちゃった。誰にも相談しないで。そしたらすぐに近藤さんから電話があって、「そんなこと言うな」って言われたんだけど、「いや、俺はもうこれ以上やれませんから」って。

テリー いくつの時?

原田 31歳。

テリー 若いね。

原田 精神年齢は25、6歳でしたね、世間知らずで。で、その後もいろいろあったんだけど、「わかったから、お前が殉職するホン(台本)を書くから、その間ちょっと休んでくれ」って言われて、その間に僕、北海道の霧の摩周湖に行ったんですよ。朝からすごい霧が立ち込めててね。で、湖面を見てたら風が吹いてきて、その湖面が急にブワーッと現実になってきたの。

テリー ん、どういうこと?

原田 その時に頭の中でカチンって何かが合わさったような音がして、急に「あ、さっきまで俺、ノイローゼだったんだ」っていうことがわかったんですよ。

テリー あ、なるほど。つまり、それまでの言動は全部ノイローゼのせいだったってこと?

原田 そう。ノイローゼって治るまで自分でも気づかないんですよ。それだけ気合いも入ってたし、頑張りすぎたんでしょうね。

カテゴリー: 芸能   タグ: , , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<マイクロスリ―プ>意識はあっても脳は強制終了の状態!?

    338173

    昼間に居眠りをしてしまう─。もしかしたら「マイクロスリープ」かもしれない。これは日中、覚醒している時に数秒間眠ってしまう現象だ。瞬間的な睡眠のため、自身に眠ったという感覚はないが、その瞬間の脳波は覚醒時とは異なり、睡眠に入っている状態である…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<紫外線対策>目の角膜にダメージ 白内障の危険も!?

    337752

    日差しにも初夏の気配を感じるこれからの季節は「紫外線」に注意が必要だ。紫外線は4月から強まり、7月にピークを迎える。野外イベントなど外出する機会も増える時期でもあるので、万全の対策を心がけたい。中年以上の男性は「日焼けした肌こそ男らしさの象…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<四十肩・五十肩>吊り革をつかむ時に肩が上がらない‥‥

    337241

    最近、肩が上がらない─。もしかしたら「四十肩・五十肩」かもしれない。これは肩の関節痛である肩関節周囲炎で、肩を高く上げたり水平に保つことが困難になる。40代で発症すれば「四十肩」、50代で発症すれば「五十肩」と年齢によって呼び名が変わるだけ…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , |

注目キーワード

人気記事

1
【戦慄秘話】「山一抗争」をめぐる記事で梅宮辰夫が激怒説教「こんなの、殺されちゃうよ!」
2
巨人で埋もれる「3軍落ち」浅野翔吾と阿部監督と合わない秋広優人の先行き
3
「島田紳助の登場」が確定的に!7月開始「ダウンタウンチャンネル」の中身
4
前世の記憶を持つ少年「僕は神風特攻隊員だった」検証番組に抱いた違和感
5
前田日明「しくじり先生」で語らなかった「最大のしくじり」南アフリカ先住民事件