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日本名輪会・山口健治の「江戸“鷹の目”診断」/脇本が逃げ切り「実力日本一」を証明

【「向日町記念」ヤマケンが注目する「決勝戦進出」有力候補12人!】◎脇本雄太/○松浦悠士/▲新田祐大/△村上義弘/佐藤慎太郎/内藤秀久/稲垣裕之/村上博幸/坂口晃輔/松谷秀幸/山本伸一/眞杉匠

 GIを何度も制している実力者同士がぶつかれば、GIIIであっても一歩も引くつもりはない。

「向日町記念」(9月2日【木】~5日【日】)は、SS班4人の豪華メンバー。しかもそのうち3選手はいわき平オールスターの決勝戦に乗っていた。ラインは地元近畿が断然優勢も、北日本勢が無抵抗で終わるはずがない。激戦は必至だ。

 本命は脇本雄太。東京五輪のあと、ひと息入れる間もなく迎えたオールスター(【9】【2】【1】【1】【2】)は勝ちに等しい準優勝だった。後ろには京都勢がズラリと並ぶ。逃げ切って「実力日本一」を証明する。

 対抗の松浦悠士は真価を問われるシリーズになる。単騎戦もありうるからで、ダービー王の名誉にかけて勝負を挑むことになる。

 あとは、切れ味鋭い新田祐大の後方一気と、京都の総大将である村上義弘の巧走一発とみた。

 佐藤慎太郎がダービー3着をはじめ、着実に賞金を積み重ねてランキング5位(8月25日現在)。SS班の座の確保に近づきつつあるが、評価したいのはプロとしての発信力だ。その大胆な発言はファンから喝采を浴びている。みずからを鼓舞する44歳のファイターで、ここでも簡単にはギブアップしない。

【大穴この1車】小林泰正(群馬・113期)。

 関東期待の先行は意外な高配当メーカーでもある。穴党のドギモを抜いたのが8月のGIII川崎(【1】【2】【8】【1】)。1次予選は12万、2次予選15万と特大の10万車券を連発したからだ。西日本のグレード戦では3月松阪ウィナーズC(【1】【6】【7】【1】)の2勝が初日8万、最終日は1万280円だった。次走のGII岐阜共同通信社杯(9月19日~)でも波乱の主役になりそうだ。

【狙い目の伏兵3人】

 窓場千加頼(京都・100期)が好調をキープしている。直近4カ月成績は1着10回なのに、2着、3着が1回と2回は、アタマ狙いのレースをしているからだ。ホームバンクの今回も1着で流したい。

 5月に特昇した伊藤旭(熊本・117期)は、すでに3度失格している。どれも不運なアクシデントといってよく、前走のFI四日市(【2】【1】【6】)では初の決勝戦進出を果たした。まくりになれば突き抜けがある。

 鈴木薫(東京・115期)は、ほぼ1年ごとにクラスを上げてきた。A級当時から先行にこだわっているのは、大成する選手に共通する。初の記念でマークはされない。アッと言わせるシーンがあるかもしれない。

山口健治(やまぐち・けんじ):1957年1月、東京都荒川区生まれ。競輪学校38回生卒業チャンピオンとしてデビュー。主なタイトルは日本選手権、競輪祭(2度)。09年1月引退。現在「スポーツ報知」評論家。

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