スポーツ

サンスポ水戸正晴の「絶対万券」論「1勝馬ムジカの大駆けある」

 天皇賞・秋の後、ひと息入ったGI戦だが、今週から12月28日のホープフルSまで8週連続、計9レースが怒濤のごとく行われる。我々競馬をなりわいとしている者にとっては気の抜けぬ、そしてファンにとっては、目が離せない日々が続くわけだ。

 今週のそれはエリザベス女王杯。3歳上の一線級牝馬による争いで、阪神の芝2200メートルが舞台。内回りコースだけに、逃げ、先行馬が有利とみられるが、今年の顔ぶれを見ると、差し、追い込み勢に有力馬が多く、どちらに転ぶかは微妙なところ。そして勢いに乗る3歳馬か、充実の古馬か。どちらに軍配が上がるかの判断も難しい。いずれにしても、見応えある馬券的にもおもしろいGI戦だ。

 まずはデータをひもといてみよう。馬単が導入された02年以降の過去19年間、馬単での万馬券は5回(馬連は2回)。この間、1番人気馬は4勝(2着5回)、2番人気馬は4勝(2着4回)で、1、2番人気馬によるワンツー決着は3回。一見すると堅い決着が多そうに思えるが、配当からすると中穴傾向のGI戦と言っていいか。

 そして過去19年間の年齢別成績は、3歳馬が8勝(2着5回)、4歳馬も8勝(2着6回)、5歳以上の馬が3勝(2着8回)というもの。出走頭数が総じて少ない3歳馬の善戦が目立つのは、古馬よりも2キロ軽い54キロで走れる秋華賞の上位組が挑んでくることが多く、その勢いに乗じて──ということだろう。

 今年の3歳馬は秋華賞を制したアカイトリノムスメと、ステラリアが参戦するが、古馬勢の層は厚い。その筆頭がレイパパレだ。

 GI大阪杯を無傷で制し、秋初戦の前走、オールカマー(4着)は期待に応えられなかったものの、見せ場たっぷりの好内容で健在ぶりを誇示してみせた。その後は、ここを目標に順調そのもの。〈3 0 1 0〉と得意の阪神が舞台でもあり、最有力候補とみられて当然だろう。

 他にも、そのオールカマーを制したウインマリリン、同2着のウインキートス、そして8戦6勝と今、乗りに乗っているテルツェットなど、錚々たる顔ぶれである。

 3歳馬アカイトリノムスメが上位人気に支持されると思われるが、ここは優勢にある古馬勢に期待を寄せるのが馬券の筋だろう。といっても前述した人気、有力どころでは穴党としておもしろくはない。イチオシしたいのは、ムジカだ。

 これまで18戦1勝という条件馬の身。特別登録の前までは除外の可能性もあっただけに、登録馬18頭(フルゲートも18頭)の最後に入れたのは天啓とさえ思いたい。予想する側としては大いに手応えを感じており、期待はかなり大きい。

 前々走の関ケ原Sは3カ月半ぶりの実戦で勝ち馬とコンマ1秒差の3着。続く前走の新潟牝馬Sもコンマ2秒差の3着。いずれも見せ場があったにせよ、オープン、それもGI戦となれば、荷が重いとみられてもやむをえないところだ。

 だが、期待できる理由は大いにある。昨秋、1勝クラスの身でGIIローズSに挑み、あわやの2着に頑張ってみせた。その際、本命視してヒットを飛ばしたのだが、それだけポテンシャルが高い馬と判断したからで、その思いは今も変わっていない。

 ひ弱さが抜けきれず殻を破れずにいたが、ここに来てようやく馬体に芯が入った印象。陣営も「落ち着き払って実にいい雰囲気。稽古の動きは素軽く、この分なら楽しみ」と、ヤル気をにじませている。

 母系は欧州の一流血脈で、人気どころと比べても見劣りしない血統馬。大駆けがあっても、なんら不思議はない。

カテゴリー: スポーツ   タグ: , , , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<マイクロスリ―プ>意識はあっても脳は強制終了の状態!?

    338173

    昼間に居眠りをしてしまう─。もしかしたら「マイクロスリープ」かもしれない。これは日中、覚醒している時に数秒間眠ってしまう現象だ。瞬間的な睡眠のため、自身に眠ったという感覚はないが、その瞬間の脳波は覚醒時とは異なり、睡眠に入っている状態である…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<紫外線対策>目の角膜にダメージ 白内障の危険も!?

    337752

    日差しにも初夏の気配を感じるこれからの季節は「紫外線」に注意が必要だ。紫外線は4月から強まり、7月にピークを迎える。野外イベントなど外出する機会も増える時期でもあるので、万全の対策を心がけたい。中年以上の男性は「日焼けした肌こそ男らしさの象…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<四十肩・五十肩>吊り革をつかむ時に肩が上がらない‥‥

    337241

    最近、肩が上がらない─。もしかしたら「四十肩・五十肩」かもしれない。これは肩の関節痛である肩関節周囲炎で、肩を高く上げたり水平に保つことが困難になる。40代で発症すれば「四十肩」、50代で発症すれば「五十肩」と年齢によって呼び名が変わるだけ…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , |

注目キーワード

人気記事

1
【戦慄秘話】「山一抗争」をめぐる記事で梅宮辰夫が激怒説教「こんなの、殺されちゃうよ!」
2
神宮球場「価格変動制チケット」が試合中に500円で叩き売り!1万2000円で事前購入した人の心中は…
3
巨人で埋もれる「3軍落ち」浅野翔吾と阿部監督と合わない秋広優人の先行き
4
永野芽郁の二股不倫スキャンダルが「キャスター」に及ぼす「大幅書き換え」の緊急対策
5
「島田紳助の登場」が確定的に!7月開始「ダウンタウンチャンネル」の中身