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記事全文を読む→対決間近!「浅田真央VSキム・ヨナ」死闘10年の“裏”真実(7)
なぜ、浅田はアクセルに続く高得点の武器Lzをバンクーバー五輪の直前に捨ててしまったのか──当時の浅田が、1人で五輪を目指さないといけない環境だったことはその理由の一つと言えよう。
09年3月の世界選手権で、浅田は3回転Lzをチャレンジし、回転不足で失敗してしまう。当時、浅田は、タチアナ・タラソワに師事し、ロシアに定期的に通っていた。しかし、基本的には国内練習がメインで、自己流を脱しえなかったという。
そもそもLzは習得の難しい技だと、スポーツ紙デスクは解説する。
「理由の1つは、小さい頃の練習方法です。フィギュアはピアノやバイオリンのようにレッスン料が1時間に数万円と高額で、経済的な負担から毎日、何時間も見てもらうのは難しい。浅田の母・匡子さんや、ヨナの母親のような素人が独学でスケートを勉強し、教えることになり、基礎が徹底できなかったことが大きく、練習で直っても本番で悪癖が出てしまう。実は、浅田のようにLzを苦手にする選手は多く、ソチ五輪に出場する村上佳菜子やロシアの星・ソトニコワも例外ではない」
キム・ヨナも08年のGPシリーズの中国戦でエッジエラーと判定された3回転Fに苦手意識があった。浅田との差は06年から師事したブライアン・オーサーの存在だ。彼の指導で、五輪本番のシーズンに修正させていたのだった。さらに、浅田の体の成長に伴う変化も、クセの修正を難しくさせていたという。
元五輪担当記者が話す。
「15歳で世界女王に輝いた時から、浅田の身長は5センチほど伸び、体重も増え、肩幅も広がっていた。当然、ジャンプの瞬間の初速や回転スピードに影響する。バンクーバー後、浅田が通う中京大のスポーツ科学の権威・湯浅景元教授の解析によれば、ヨナとは重心の位置が大きく違っていたそうだ。頭の位置を変えず、腕の振りで助走スピードを上げて大きなジャンプをするヨナと比べ、浅田は踏み切りの瞬間に体が沈む。自慢の3Aは力任せに見え、スムーズに次の演技につながらなかった」
ジャッジは、出来栄え点(GOE)を、
【1】高さと飛距離
【2】ジャンプの流れ
【3】ムダな力みがない
この3つの要素を中心に7段階で採点し、加点減点する。浅田の体の上下動はジャンプのGOEに大きく影響したのだ。
バンクーバー五輪のFSで、2人は7回ジャンプしているが、キム・ヨナの華麗なジャンプは全てで加点され、GOEが12点にもなった。一方、浅田のGOEはわずか2.72にとどまった。
浅田はLzの修正どころか、ジャンプの大改造に迫られていた。
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