社会

医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<隠れ脳梗塞>現れにくい症状で「血管性認知症」になる

 自覚症状のない「隠れ脳梗塞」が増えている。脳ドックを受診した人の10~16%に認められ、高齢者や男性に多いという。

「脳梗塞」は、脳の血管が詰まり、血液が行き渡らなくなった部分の脳細胞が死滅してしまうが、「隠れ脳梗塞」は、脳の中の極めて細い血管(穿通枝)が動脈硬化を起こして詰まっている状態のこと。脳の組織に明らかな影響がなく、症状が現れにくいのが特徴だ。

 すなわち、発症しなくても放置すれば「脳梗塞」や「脳出血」を引き起こすリスクが高まるのだ。小さな脳梗塞の数が増えることにより、脳の血管障害で発症する血管性認知症になる危険性も孕んでいる。

 隠れ脳梗塞の危険因子として最も注目されているのが「高血圧」。上の血圧が120未満かつ下の血圧が80未満の人に比べて、上の血圧が140以上、あるいは下の血圧が90以上の人は、脳卒中の発症率は約3倍高くなると指摘されている。

 隠れ脳梗塞のほとんどは、高血圧が長期にわたり続くことが原因で発症すると考えられている。そのためにも、日頃から血圧をしっかりコントロールすることが重要になってくる。

 まずは家庭での血圧測定が肝心。中には、家庭で測るのと病院で計測するのでは数値が大きく変わる人もいる。これは、医師や看護師が測ると、患者さんが緊張することが原因と考えられている。そのため、医療機関では家庭で測る血圧を重視しているため、血圧測定器の購入をオススメしたい。

 食生活も注意が必要だ。特に食塩の摂取量を減らすことがポイントになってくる。ほかにも、禁煙、飲酒の量を減らす生活を心掛けよう。生活面では、ウォーキングのような有酸素運動を1日に30分程度続けることも有効だ。

田幸和歌子(たこう・わかこ):医療ライター、1973年、長野県生まれ。出版社、広告制作会社を経てフリーに。夕刊フジなどで健康・医療関係の取材・執筆を行うほか、エンタメ系記事の執筆も多数。主な著書に「大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた」(太田出版)など。

カテゴリー: 社会   タグ: , , , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    「男の人からこの匂いがしたら、私、惚れちゃいます!」 弥生みづきが絶賛!ひと塗りで女性を翻弄させる魅惑の香水がヤバイ…!

    Sponsored

    4月からの新生活もスタートし、若い社員たちも入社する季節だが、「いい歳なのに長年彼女がいない」「人生で一回くらいはセカンドパートナーが欲しい」「妻に魅力を感じなくなり、娘からはそっぽを向かれている」といった事情から、キャバクラ通いやマッチン…

    カテゴリー: 特集|タグ: , , |

    塩試合を打ち砕いた!大谷の〝打った瞬間〟スーパー3ランにMLBオールスターが感謝

    日本時間の7月17日、MLBオールスター「ア・リーグ×ナ・リーグ」(グローブライフフィールド)は淡々と試合が進んでいた。NHK総合での生中継、その解説者で元MLBプレーヤーの長谷川滋利氏が「みんな早打ちですね」と、少しガッカリしているかのよ…

    カテゴリー: スポーツ|タグ: , , , |

    新井貴浩監督が絶賛!劇画のような広島カープ野球の応援歌は「走れリュウタロー」

    プロ野球12球団にはそれぞれ、ファンに親しまれるチームカラーがある。今季の広島カープのチームカラーを象徴するシーンが7月初旬、立て続けに2つあった。まずは7月4日の阪神戦だ。3-3で迎えた8回裏、カープの攻撃。この試合前までカープは3連敗で…

    カテゴリー: スポーツ|タグ: , , , |

注目キーワード

人気記事

1
岡田監督よく言った!合計43得点のオールスター戦が「史上最もつまらなかった」とファンが怒った当然の理由
2
巨人・阿部慎之助監督のエンドラン外し「捕手の勘だった」発言に江川卓が「それはない」異論のワケ
3
認知症の蛭子能収「太川陽介とバス旅」は忘れてもボートレース場で「選手解説」ギャンブラー魂
4
レジェンドOBなのになぜ!ド低迷の川崎フロンターレ「中村憲剛」新監督案をサポーターが拒絶
5
【衝撃事実】見たのは誰だ!トランプ銃撃犯は「11分間ドローンでライブ配信」していた