スポーツ

中日・谷繁“布石を打って勝つ”新リーダー術(2)「落合GMも認める谷繁の野球感」

20140306b

 谷繁の姿を、監督時代の8年間を共に過ごしてきた落合GMが、「谷繁は目先のことだけで野球をやっていない。常に一歩先を読んで野球をやっている。投手をリードするにしても思い切って内角を要求したり、勝負をさせたりしている。勝負の先読みをしながら布石を打っているのは、さすが捕手だな」と、手放しで称賛したことがある。

 つまり、勝ちにこだわりたくなる初戦の相手にも、先読みの布石が打てる谷繁の大局観にホレ込んだからこそ、落合GMは監督に推したのだ。

 谷繁は常々、捕手である自分が「守りのうえでは監督の分身である」と自負していた。監督は、野手の布陣を決めることはできても、守備の際には一切手出しはできない。あくまでも、守りは捕手のリードいかんであることを誰よりも自覚していた。それが、「ゼロに抑えれば勝てる」という「守りの野球」を掲げていることにもつながっているのだ。

 かつて落合野球が、1点差の接戦をモノにすることで、中日を常勝チームに導いたことは記憶に新しい。そうしたシビアな対決の中で薫陶を受けてきた谷繁は、落合の勝負への執念を最も間近で見てきた。だが、谷繁は決して“オレ流采配の後継者”として選ばれたわけではない。

 話は、昨シーズン終盤にまで遡る。落合とは監督時代から絶大な信頼関係を築いていた白井文吾オーナーが、親会社での政権争いを勝ち抜き復権を果たしたことで、全ての様相が大きく変わった。

 中日OBで固めたコーチ陣で、低迷に苦しむ高木守道政権末期、チーム再建には外様からの厳しい意見が必要だと白井オーナーは考えていた。この時、白井オーナーがアドバイスを求めたのが“盟友”の落合だった。

 白井オーナーは開口一番、落合に「谷繁は監督としてどうかね」と聞いた。その時、落合は「彼なら大丈夫です」と即答。それを聞いた白井オーナーの「キミも谷繁をしっかり見守ってくれ。アドバイスとか肩書が必要ならば言ってくれ」という言葉に、落合が「だったら、GMという形でチームの骨格作りにご協力させていただきましょうか」と提案し、白井オーナーが快諾。かくして落合GM──谷繁監督体制が誕生したのである。

カテゴリー: スポーツ   タグ: , , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    ゲームのアイテムが現実になった!? 疲労と戦うガチなビジネスマンの救世主「バイオエリクサーV3」とは?

    Sponsored

    「働き方改革」という言葉もだいぶ浸透してきた昨今だが、人手不足は一向に解消されないのが現状だ。若手をはじめ現役世代のビジネスパーソンの疲労は溜まる一方。事実、「日本の疲労状況」に関する全国10万人規模の調査では、2017年に37.4%だった…

    カテゴリー: 特集|タグ: , , , |

    藤井聡太の年間獲得賞金「1憶8000万円」は安すぎる?チェス世界チャンピオンと比べると…

    日本将棋連盟が2月5日、2023年の年間獲得賞金・対局料上位10棋士を発表。藤井聡太八冠が1億8634万円を獲得し、2年連続で1位となった。2位は渡辺明九段の4562万円、3位は永瀬拓矢九段の3509万円だった。史上最年少で前人未到の八大タ…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , , |

    因縁の「王将戦」でひふみんと羽生善治の仇を取った藤井聡太の清々しい偉業

    藤井聡太八冠が東京都立川市で行われた「第73期ALSOK杯王将戦七番勝負」第4局を制し、4連勝で王将戦3連覇を果たした。これで藤井王将はプロ棋士になってから出場したタイトル戦の無敗神話を更新。大山康晴十五世名人が1963年から1966年に残…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , , , , |

注目キーワード

人気記事

1
「致死量」井上清華アナの猛烈労働を止めない「局次長」西山喜久恵に怒りの声
2
完熟フレッシュ・池田レイラが日大芸術学部を1年で退学したのは…
3
またまたファンが「引き渡し拒否」大谷翔平の日本人最多本塁打「記念球」の取り扱い方法
4
京都「会館」飲食店でついに値上げが始まったのは「他県から来る日本人のせい」
5
巨人の捕手「大城卓三と小林誠司」どっちが「偏ったリード」か…大久保博元が断言