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記事全文を読む→掛布雅之 野手陣の層は厚い
今年の春季キャンプの収穫は、野手の底上げが見えた点です。2月19日の楽天戦では、5番ファーストで出場した森田一成が3点本塁打を含む3安打5打点。続く6番レフトとして打席に立った伊藤隼太は2安打1打点、9番ライトの緒方凌介も2安打1打点と、若虎たちが爆発し、結果も去年の日本一のチームを相手に15対6と、実に頼もしいスコアとなりました。
しかし、この試合内容を見ただけで喜ぶのはまだ早い。練習試合が始まったとはいえ、2月はまだまだ投手にとっては調整期間。12失点を喫した楽天の永井怜だって、準備段階での登板だっただけの話です。15点という猛打はほほえましい事実ではありますが、この結果を受けて、単に選手の能力が上がったと明言するのは難しい。
とはいえ、森田や隼太、緒方は去年のレギュラーではないだけに一軍定着メンバーにとってみれば脅威そのもの。彼らがレギュラー陣の刺激になったのは間違いない。隼太や緒方とポジション争いをする福留が23日の中日戦で2安打を放ったのも、若手の台頭が影響していたのかもしれません。
福留は、まだフォームの修正が完成したとは言えない状況です。その中で2安打のうち1本を左方向へ放てたのは収穫でした。去年はヘッドが抜けずにセンターより右方向ばかりで勝負してしまって、右へのゴロを量産していました。結果として、成績も思うように伸びず、戦力としては首をかしげるしかなかったシーズンになってしまいました。彼がまた中日時代のように右へ左へと広角にヒットを打てるようになれば、今度こそ打撃の要になれるかもしれません。
もちろん、この効果をいちばん喜んでいるのは和田監督でしょう。選手層が厚くなり、起用で悩みを抱えるのは、首脳陣にとってうれしいかぎりです。
また、22日の広島戦では8番キャッチャーとして出場したドラフト4位・梅野隆太郎が、先発の岩田稔、2番手の秋山拓巳とのバッテリーで8回まで4安打1失点と好リードを見せ、打席でも二塁打を放つなど存在感をアピールしました。梅野は大学時代には日米大学野球のキャプテンも務めたほどの選手。チームバランスを考えても、彼のような若手の捕手が試合に出るのはチームの将来を見てもありがたい。
けれど、一方で問題になるのが、そのキャッチャーの多さです。現在、阪神のキャッチャーは全部で9人。正捕手である藤井彰人に日高剛、鶴岡一成、清水誉、今成亮太、小豆畑眞也、小宮山慎二、岡崎太一、そして梅野と9人もの選手が捕手登録されています。
これではいくら梅野がオープン戦で活躍しようと、シーズン中に試合に出場する機会は少なく、他の捕手だってチャンスには限りがある。捕手の飼い殺しと言われてもおかしくない。
この現状を見ると、選手をトレードするなり、捕手そのものの編成を考える必要があると感じます。今回の梅野の活躍を確認して、一度、捕手のスリム化を検討すべきだと思うのです。
若手選手がいくら試合で結果を出しても、ベテランの壁を前にしてレギュラーになれないのはどのポジションも同じだけれど、捕手についてはその層があまりにも厚いような気がします。選手育成を考えても、阪神は捕手のスリム化を検討すべきだと思うのです。
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