社会

医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<睡眠障害>週3回「眠れない」状態が1カ月以上続いたら受診を

 健康増進のためにクローズアップされている睡眠。しかし、「寝つけない」「眠りが浅い」といった睡眠トラブルで悩んでいる人は多い。これら睡眠に関連した病気は総称して「睡眠障害」と呼ばれる。

「睡眠障害」で最も多いのが「不眠障害」だ。これは、健康を維持するために必要な睡眠時間が、質や量的に低下して、日常生活に支障を来す状態を指している。寝つきが悪かったり、中途覚醒や早朝覚醒により、翌日の体調に影響が出るのが特徴だ。

「過眠症」に悩まされる人も多い。夜に十分な睡眠を取っているのに、日中に突然強い眠気が生じて、起きていることが困難になる状態をいう。「過眠症」には、神経物質の働きが原因で起こる「ナルコレプシー」、原因不明の「特発性過眠症」、過眠している時期と症状がない時期を反復する「反復性過眠症」の3つに分類される。

 他にも、睡眠中の呼吸が異常になる「睡眠時無呼吸症候群(睡眠呼吸障害)」、昼夜逆転の不規則な生活習慣などで起こる「概日リズム睡眠障害」、睡眠中や入眠時に寝ぼけや寝言、悪夢などが起きる「睡眠時随伴症」、睡眠中や入眠時に歯ぎしりや脚のぴくつき、脚に虫が這うような不快感を覚える「むずむず脚症候群」などがある。

 睡眠には、体の不調をリセットして病気を未然に防ぐ役割があるが、このメンテナンス機能は50歳くらいから徐々に衰える傾向がある。うまくリセットできずに、日常の活動に支障を来したり、生活習慣病やうつ病のリスクが高くなる可能性もある。

 医療機関の受診の目安は「眠りが浅い」「眠れない」などのトラブルが「週3回発生していて、その状態が1カ月以上続いたら」、医師の診察を受けたほうがいいだろう。

田幸和歌子(たこう・わかこ):医療ライター、1973年、長野県生まれ。出版社、広告制作会社を経てフリーに。夕刊フジなどで健康・医療関係の取材・執筆を行うほか、エンタメ系記事の執筆も多数。主な著書に「大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた」(太田出版)など。

カテゴリー: 社会   タグ: , , , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    ゲームのアイテムが現実になった!? 疲労と戦うガチなビジネスマンの救世主「バイオエリクサーV3」とは?

    Sponsored

    「働き方改革」という言葉もだいぶ浸透してきた昨今だが、人手不足は一向に解消されないのが現状だ。若手をはじめ現役世代のビジネスパーソンの疲労は溜まる一方。事実、「日本の疲労状況」に関する全国10万人規模の調査では、2017年に37.4%だった…

    カテゴリー: 特集|タグ: , , , |

    藤井聡太の年間獲得賞金「1憶8000万円」は安すぎる?チェス世界チャンピオンと比べると…

    日本将棋連盟が2月5日、2023年の年間獲得賞金・対局料上位10棋士を発表。藤井聡太八冠が1億8634万円を獲得し、2年連続で1位となった。2位は渡辺明九段の4562万円、3位は永瀬拓矢九段の3509万円だった。史上最年少で前人未到の八大タ…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , , |

    因縁の「王将戦」でひふみんと羽生善治の仇を取った藤井聡太の清々しい偉業

    藤井聡太八冠が東京都立川市で行われた「第73期ALSOK杯王将戦七番勝負」第4局を制し、4連勝で王将戦3連覇を果たした。これで藤井王将はプロ棋士になってから出場したタイトル戦の無敗神話を更新。大山康晴十五世名人が1963年から1966年に残…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , , , , |

注目キーワード

人気記事

1
あの「号泣県議」野々村竜太郎が「仰天新ビジネス」開始!「30日間5万円コース」の中身
2
3Aで好投してもメジャー昇格が難しい…藤浪晋太郎に立ちはだかるマイナーリーグの「不文律」
3
「コーチに無断でフォーム改造⇒大失敗」2軍のドン底に沈んだ阪神・湯浅京己のボコボコ地獄
4
【大騒動】楽天・田中将大が投げられない!術後「容体不良説」も出た「斎藤佑樹との立場逆転」
5
完熟フレッシュ・池田レイラが日大芸術学部を1年で退学したのは…