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記事全文を読む→荒木大輔「僕にプロに行く力はなかった」
テリー 甲子園で大人気になった時はどんな気持ちだったんですか。
荒木 よくないですね。
テリー 何がよくないんですか。
荒木 自由がなくなりましたからね。それも僕だけじゃなくて、友達も宿舎から出られなかったり。
テリー 大会前はそれほど注目されてなかったですよね。
荒木 はい。初戦が大阪代表の北陽高校という優勝候補で、宿舎を出発する時の見送りは、旅館のおかみさんたちとバイトの5、6人ですから。
テリー 全然期待されてなかったんだ。
荒木 それが北陽に勝ってしまって、宿舎に戻ってきたら、その前の道が一方通行なんですけど、もうバスが入れないんですよ。
テリー ビックリしたでしょう。
荒木 いや、最初は何だかわからないんですよ。工事か何かをやってて入れないのかなって思ったぐらいで。
テリー ああ、そうか。
荒木 で、何とかバスが宿舎の前にたどり着いたら、普通には降りられないので、手伝いをしてくれる部員たちが手をつないで道を作ってくれて。そこの間を通って宿舎に入ったんですよ。
テリー でも、集まってるのはみんな女子高生でしょう。嬉しくて手を振りますよね。
荒木 いや、知らない子ですからね。
テリー アハハハ、荒木さんらしい(笑)。
荒木 というか、とりあえず早実のファンの子たちなんだなと思いながらも、誰が目当てなのかもわからないですから。
テリー それが試合のたびに増えていくんですか。
荒木 しかも宿舎の周りに夜遅くまでいるんですよ。それまでは今で言うコンビニみたいなところに、ちょっとジュース買いに行くとかしてたんですけど、それもできなくなって。そういうのが卒業するまで続いた感じですね。
テリー 練習場は電車で通ってたんですか。
荒木 電車です。西武新宿線で武蔵関駅まで。
テリー バレちゃうじゃないですか。
荒木 担任の先生が野球部の部長だったんですね。で、あとで聞いたら、ホームルームか何かの時に「お前らが守れ」みたいな話を友達にしてたみたいです。それで4、5人ですかね、常にボディガードみたいな感じでいてくれたので、特に問題は起きなかったですけど。
テリー 女の子とデートとかは? 高校生だったらしたいよね。
荒木 いや、そういう相手もいなかったですし、野球部は休みがないので。
テリー そうかぁ。で、大人気のままプロに行くじゃないですか。そのプレッシャーはどうだったんですか。
荒木 でも、僕はプロに行きたくなかったんですよ。指名されて評価はされたいんですけど。
テリー どうして?
荒木 甲子園に出て、自分に力がないのは重々わかってたので。もっとボールが速い奴とか体のゴツい奴をたくさん見てきて、プロはこういう奴らが行くところだと思ってたんです。だから、友達の家に泊めてもらったり、スカウトからも逃げ回ってました。
テリー あ、そうだったんだ。じゃあ、入団の決め手は何だったんですか。
荒木 当時のヤクルトの松園(尚巳(ひさみ))オーナーですね。僕の家まで2回も来て、ほんとに一生懸命話をしてくれたんです。普通、大企業のオーナーが、高校生の家に2回も来ないと思うんですよ。それで最後は「お世話になります」みたいな感じになったんです。
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