スポーツ
Posted on 2014年05月24日 09:57

掛布雅之 阪神・新井良太が実践する「脱力スイング」(1)

2014年05月24日 09:57

 プロ野球は5月20日から交流戦が始まり、ペナントレースも一区切りとなりました。阪神は広島、巨人と上位争いを続けていますが、ここまでの戦いを支えたのは、何といっても打線の頑張りです。

 つながりのよさを象徴するシーンが、4月29日の広島戦(甲子園)の2回に一挙7点を奪った集中打でした。マートンの左前打から始まる計6安打1四球の打者10人の猛攻で、とどめは4番・ゴメスの豪快な左越え3ランでした。各打者が自分で決めようとするのではなく、後ろの打者に回す意識が強いので、不利なカウントでも粘って、安打や四球でつなげることができたのです。

 中でも目を引いたのは、無死一塁の新井良太の打撃です。1ストライクから野村のスローカーブを左前にはじき返しました。狙い球ではない球でしたが、高めに浮いてきたところを目で判断、頭で考える前に自然とスイングできたのです。

 相手の野村とは4月15日にも対戦し(マツダ)、5回5失点と打ち崩しました。そのリベンジとして、野村は前回の登板ではあまり投げなかったスローカーブを初回から多投し、緩急で活路を見いだそうとしました。その勝負球をいとも簡単に良太に捉えられ、一気に崩れてしまったのです。

 スローカーブを自然と打ち返すのは、簡単なことではありません。特に早いカウントでは打者心理として「打ち損じたら、もったいない」と思うのです。技術的にも構えた時にトップで力が入っていては、反応できない球。ムダな力を抜いて、リラックスした状態のトップを作れていたからこそ、良太はしとめられたのです。

 この「脱力」は、打撃の重要なポイント。良太にも秋季キャンプで「力を抜いてバランスよく振ること」をアドバイスしましたが、ある程度、実践できるようになりました。投手というのは、常に打者のタイミングをズラそうとしてきます。トップで力を抜くことができなければ、勝負の主導権を握る投手に対して、柔軟に対応することができないのです。

 さらに、力を抜けばヘッドスピードそのものも速くなります。スイング中に腕の筋肉が固まれば、バットのヘッドは走りません。上体の関節を柔らかく使い、バットと腕が一体化してムチのように使えるのが理想です。

 難しいのは、力を抜くことと軽く振ることは違う、ということです。150キロのストレートを軽く振っていては前に飛ばせません。特にホームランを打とうと思えば、ゴルフで言うところの「マン振り」が必要です。プロゴルファーが軽く振っているように見えても飛ぶのは、力の入れ所をわかっているからです。大事なのは土台となる下半身が安定していること。腕よりもパワーのある足の力を使って、軸回転で打っているからこそ、上体の力が抜けているように見えるのです。野球のスイングも同様に、下半身の力を最大限に使って、インパクトの一瞬にだけパワーを伝えられればいいのです。

(数字は全て5月14日現在)

全文を読む
カテゴリー:
タグ:
関連記事
SPECIAL
  • アサ芸チョイス

  • アサ芸チョイス
    社会
    2026年09月14日 11:30

    AIは本当に人類を終わらせるのか。専門家のとある主張が世界を震撼させている。その「AI終末論」は、AI開発企業アンソロピックに勤めていた元研究員、ジェイコブ・コクソン氏によるもの。Xで「AI研究関係者の多くが、AIは今後10年以内に人類を破...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    タグ:
    事件
    2026年09月16日 20:30

    「ゾンビたばこ」と呼ばれる指定薬物「エトミデート」は、広島カープに大きな衝撃を与えた忌まわしいブツだ。元広島カープの羽月隆太郎氏にこれを譲り渡したとして医薬品医療機器法違反の罪に問われた会社役員・滝口涼介被告の初公判が9月16日に広島地裁で...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    社会
    2026年09月17日 07:15

    20世紀最大級のミステリーと言われてきた、イギリス・スコットランドのネス湖に生息するという未確認動物(UMA)の「ネッシー」に、再び熱い視線が注がれている。いったいなぜか。一時期は目撃情報が激減し、専門家からは死亡説や、人間の活動を警戒して...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    タグ:
    注目キーワード
    最新号 / アサヒ芸能関連リンク
    アサヒ芸能カバー画像
    週刊アサヒ芸能
    2026/9/15発売
    ■650円(税込)
    アーカイブ
    アサ芸プラス twitterへリンク