スポーツ

ジャンボ尾崎と青木功 「40年確執の果てに電撃和解」の裏真相

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 5月17日、千葉県・麻倉ゴルフ倶楽部が驚きに包まれた。ゴルフ界の2人のレジェンドが、突然の「歩み寄り」を見せたのだ。磁石のN極とS極のごとき、相いれない人生を送ってきた両者がニッコリとほほえむ。まさに青天の霹靂たる出来事だったのである──。

 舞台は「ザ・レジェンド・チャリティプロアマトーナメント」。ホールアウト後に固い握手を交わしたのは、ジャンボ尾崎(67)と青木功(71)だった。

「ソフトバンク王貞治球団会長、ジャズミュージシャンの日野皓正が見守る中、互いに相手の目を見つめ合い、がっちりと手を握る2人の姿に会見場からはどよめきの声が上がりました。2人の間には長く深い因縁があったからです。この対面は、左膝痛で同大会を欠場した青木が、自身の代役として尾崎に直筆の手紙をしたため、出場を打診して実現しました」(大会関係者)

 青木のプロデビューは65年で、尾崎は70年。2人の境遇について、ゴルフジャーナリストの宮崎紘一氏が語る。

「以来、コース内外で火花飛び散る壮絶バトルを繰り広げてきましたが、人気、実績ともに、常に尾崎が一歩リード。青木は78年から4年連続で賞金王に輝きましたが、打倒尾崎を掲げ、米ツアーにも積極的に参戦するようになった」

 80年の全米オープンでは帝王ジャック・ニクラウス(74)と首位争いを演じ、日本人選手の海外メジャー最高位となる2位に入る快挙で世界に名をとどろかせた青木。尾崎も88年から3年連続賞金王に輝くなど、国内では無敵の強さを誇り、ゴルフ界を牽引した。

 90年5月、そんな2人の関係が急展開を迎える。

「尾崎が勝利した大会のゲスト解説を務めた青木が、『ジャンボ、おめでとう』と声をかけたところ、『そんなもん強いもんが勝つのは当たり前だ』とぶっきらぼうに言い放ったのです。青木は顔を紅潮させ、『それじゃあ、次の試合(第14回三菱ギャラン)でどっちが強いか決着をつけよう』と“果たし状”を叩きつけた」(前出・宮崎氏)

 こうして日本屈指の超難コース、ゴールデンバレーゴルフ倶楽部(兵庫県西脇市)で2人は相まみえ、激突する。宮崎氏が続ける。

「難コースをねじ伏せようと言わんばかりの豪快なショットで攻めのゴルフを貫く尾崎。対して青木はコースに逆らうのではなく、ゲームの流れに沿った世界仕込みのしたたかなゴルフを展開。2人のプレーは、まさに対極そのものでした」

 最終的には刻みのゴルフでミスを最小限に食い止めた青木が1オーバーで優勝。尾崎は3日目に崩れて4オーバーで2位タイに終わった。

「試合後、祝福の輪に包まれる青木を尻目に、尾崎は『コースを造るアホにプレーするアホ。同じアホなら刻まな損々』『こんなチマチマしたコース、やってられない』と吐き捨て物議を醸した」(前出・宮崎氏)

 その後、尾崎は暴力団との交際や、芸能界や角界の大物との銀座豪遊など、スキャンダルが取りざたされるようになる。

「さらに、バブル期に手を出したゴルフ場開発や投資などの副業がことごとく失敗。05年に民事再生法を申請し、千葉県習志野市の『ジャンボ御殿』が競売にかけられるなど、30億円以上とも言われる生涯獲得賞金を失うことになりました」(ゴルフ専門誌記者)

 片や青木は90年以降、国内外のシニアツアーに参加し、04年には日本人男子選手初となる世界殿堂入り。全盛期を過ぎてもマイペースで活動を継続している。

「尾崎も10年に世界殿堂入りを果たしましたが、記者会見では『日本でゴルフに貢献した自負はあるが、世界で貢献したかというと、皆さんもご存じのとおり、たいへん残念な結果であります』と青木へのコンプレックスをにじませました」(前出・ゴルフ専門誌記者)

 今回の歴史的ツーショットは落ち目の尾崎に青木が手を差し伸べたもの。40年余りに及ぶ確執の果ての電撃和解にも、前出の大会関係者は複雑な表情を見せる。

「青木は6月12日から始まる第114回全米オープンゴルフのゲスト解説やジュニアクラブでの指導など、引っ張りだこの状況が続いています。一方の尾崎は開店休業状態。全盛期は今回のようなプロアマトーナメントに出場する際、最低でも100万円以上を要求しましたが、今回支払われたのは20万円ほどでした」

 くだんのプロアマトーナメント終了後、尾崎は青木に「ありがとう」と言い、消え去るように会場をあとにした。

◆アサヒ芸能6/3発売(6/12号)より

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