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記事全文を読む→「猪木VSアリ」38年目の死闘“新”事実!(3)あの試合には“裏ルール”が存在した
だがその直後、怒り狂ったアリ軍団のメンバー20人余りが、新間氏が宿泊していた部屋に押しかけてきた。すでに、通訳のケン田島氏の姿はなく、たった一人で屈強な男たちからつるし上げを食らった。
アリ側のメンバーの一人が拳銃2丁を取り出し新間氏の前に置いた。廊下には屈強なメンバーが続々集結し、剣呑な雰囲気が充満していた。試合に負けたら、アリが築いた名声は失墜し全員が失業する。この試合には絶対負けられない覚悟を示しているようだった。その場にいたプロモーターのボム・アラムは言った。
「新間、アリにはサインをする権限はない。(弁護士の)ハーバート・モハメド以外ないんだ。すぐに契約書を返してくれないか。でなければ、ケガをしたと言って明日、全員が帰国する」
さらに、ボム・アラムの要求は続いた。
「猪木は立ったままの姿勢で攻撃してはダメ。片手、片足を着いたままの姿勢で攻撃するんだ。そして、ブレイクと言われたら、すぐに中止しろ」
新間氏はその場で猪木に電話して状況を説明した。そして新間氏の元に契約書を届けさせた。猪木は「やることに意義がある」と言い、アリ側の要求も全てのんだ。
「寝転がってローキックに終始するという独特の試合展開はこの時決まった。言ってみれば、猪木が強引にサインさせた代償だったのです」(新間氏)
裏のルールの存在を知らないファンや専門家は、猪木の戦法に異議を唱えた。しかし、猪木は試合後も一切、ルールについては口を開くことはなく、結局、試合は引き分けた。
翌日、舞台裏を何も知らないメディアには批判の嵐が吹き荒れたのは、言うまでもない。
しかし、新間氏には一刻の猶予もなかった。多額の金銭トラブルが、猪木と新日本プロレスの屋台骨を揺さぶっていたのだった。新間氏が語る。
「当初、契約書には猪木VSアリ戦の収益は、双方で折半するということになっていた。クローズド・サーキット(劇場用テレビ)からアリ側が300万ドル受け取ったあと、猪木も100万ドル受け取るという内容だった。ところが、試合後に一向に契約が履行されないため、アリに振り込むはずだった120万ドルを銀行口座から引き揚げたんです。これに対して、アリ側は訴訟を起こした。しかも、その金額は3000万ドル(約90億円)という空前の金額でした」
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