社会

医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<多汗症>大量の汗でグレーのTシャツが着られない

「手のひらや足の裏、ワキなどに大量に汗をかく」「人よりも汗をかきやすい」──異常な量の汗をかく場合は、「多汗症」の可能性がある。

 これは気温が高い時や運動をしていなくても過剰に汗をかいてしまう病気。単なる汗かきと違い、日常生活に支障が出るのも特徴だ。例えば「汗ジミが気になって明るい色の服やグレーのTシャツを着られない」「手が汗でベトベトになり紙がふやけてしまう」などだ。

「多汗症」は、全身に汗をかく「全身性多汗症」と、手のひらや足の裏、ワキなど局所的に多量の汗をかく「局所性多汗症」の2種類に分類される。

 前者は、運動や発熱による温熱性発汗や甲状腺機能亢進症、低血糖、更年期、感染症、薬の副作用などが原因だ。後者は、味覚性発汗、神経障害、最も多いのは精神的緊張だ。特に重要な会議の前など緊張が高まる際に症状が出やすくなる。

「局所性多汗症」の見分け方は【1】最初に症状が出た時期が25歳以下【2】汗の出る部位が左右対称で同じ程度の汗をかく【3】睡眠中は汗が止まる【4】家族に「多汗症」がいる【5】異常な汗を週に1回以上かく【6】日常生活に支障をきたす。この中で2つ以上該当すれば皮膚科の受診が必要だ。

 治療は、汗腺に働きかけて汗を出にくくする「塩化アルミニウムの外用」や交感神経の働きを抑える「ボトックス注射」、皮膚に電流を流す「イオントフォレーシス療法」などの処置が行われることが多い。

 原因がストレスの場合は自身で対策も可能だ。食生活や生活習慣の見直し、リラックスする時間を作ることで改善できる。特に、食事は辛い物や酸味の強いものを控えて。不規則な生活リズムを整え、持続した緊張状態などに晒されている場合は、その原因を取り除くことがポイントになる。

田幸和歌子(たこう・わかこ):医療ライター、1973年、長野県生まれ。出版社、広告制作会社を経てフリーに。夕刊フジなどで健康・医療関係の取材・執筆を行うほか、エンタメ系記事の執筆も多数。主な著書に「大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた」(太田出版)など。

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