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記事全文を読む→テリー伊藤対談「千葉真一」(3)高倉健さん派は女性と遊ばなかった
テリー 当時、健さんと飲みに行ったりすることもあったんですか。
千葉 大泉撮影所は高倉健さんがトップで、健さんを中心に「野郎会」というのがありまして、これは男の「野郎」と何か「やろう」というのをかけてるんですね。だから、いろんなことをやりましたね。野球大会をやったり、遊びにも行ったり。僕らは高倉健さんにめちゃくちゃかわいがっていただきました。
テリー どんなことがあったんですか。
千葉 自分は大学から急に東映に入って、俳優座に通ってたんですが、入って間もなく、子供番組の主役をいただいたんです。
テリー 「新七色仮面」(60年)ですか。
千葉 そうそう。
テリー 全部見てます。
千葉 いやあ、ありがたいです。その時、着るものがないんで、学生服で撮影所に通っていたんですよ。そしたらある日、健さんに呼ばれまして。「千葉な、社会人になったんだから、学生服はもうやめろ」って。
テリー そりゃそうだ(笑)。
千葉 「すみません。着るものがないんですよ」って言ったら、次の日、まだ1回か2回しか袖を通してないような背広を2着、ポンと持ってきてくれたんです。
テリー サイズは合ったんですか。
千葉 ぴったり合ったんです。健さんは大きいんですけど、僕も器械体操をやっていたので、胸囲が120センチぐらいありましたから。それは今でもまだ取ってあります。ずいぶんボロボロになってますけど。
テリー わぁ、宝物ですね。
千葉 はい。そういう方でしたね、いつも後輩を見ていて。いろんなことを教わりました。
テリー 学生服しかないような男の子が映画で主演を張るようになると、お金が突然入ってきますよね。「ありゃ、こんなにお金が入ってくるのか」という驚きみたいなのはなかったですか。
千葉 テリーさん、そこはご存じではないんですねえ。お金なんか入らないですよ。
テリー ハハハハ。
千葉 29歳の終わりぐらいまでに主役を十何本も撮って、脇役もいっぱい出されましたけど、まだ質屋に行ってました。
テリー エッ、こんなファンキーハットをかぶりながら?
千葉 そのぐらい、ニューフェイスというのは、ギャラが安かったんですよ。本当に「俳優というものは、こんなに貧乏するものか」というぐらいに貧乏してましたね。
テリー そうだったんですか。
千葉 「キイハンター」では、日本一ブロマイドが売れるところまで上がったんですけども、それも全部東映さんが仕切ってましたから。「キイハンター」をやり始めて、月に4本は撮りますから、寝る暇がなくて、あれだけのことやるので体がキツくて。
テリー 爆破とかありましたもんね。
千葉 ええ。それでケガをしたりしながら、大忙しで、その頃やっと「おお、これだけ金がもらえるのか」と。その頃に、千葉県の親父のうちを私が作り変えました。
テリー 偉いなあ。
千葉 これで生活ができるなあと思いだしたのは、32~33歳の頃ですね。
テリー 僕はてっきり、デビューしてすぐにお金がたくさん入ってくるのかと思っていました。ただ、モテたでしょう。
千葉 いやいや、「キイハンター」は大人気の作品で、どこにも遊びに出られなかったですね。
テリー あんまりないんですか、武勇伝みたいなのは。
千葉 あんまりありませんね。そういうのは全部、山城(新伍)さんと梅宮(辰夫)さんですよ。
テリー ハハハハ。そうか。山城さんと梅宮さん、やっぱりそうだよなあ(笑)。
千葉 僕らは高倉派だったでしょう。健さんはそういうのはまったくないんです。いつも健さんと一緒でしたから。健さんと食事に行くと、あの人はお酒飲まないですから、コーヒーばかり飲んで。だけど僕らに「おい、酒飲めよ」と勧めてくれる。そこで「あ、じゃあビールをいただきます」と、ビールを飲むぐらいでした。僕はあの方のそんな生き方が大好きでしたから、硬いほうでしたね。
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