芸能
Posted on 2014年08月05日 09:58

ピンク・レディー 「モンスター神話」の真実(4)ミニスカートとホットパンツで過ごすことを徹底させた

2014年08月05日 09:58

20140807i

 それは「芸能界の常識」をことごとく打ち破る出来事だった。B級アイドルに見られていた2人組は、たちまちミリオンセラーを連発。時には大人たちが眉をひそめるゲリラ的な戦略が功を奏し、やがて、国民的なモンスターとなった。歌謡曲がテレビ界の中心にあった時代、ピンク・レディーに関わった軍師たちは、斬新な発想で境界線を突破していった──。

 歌うミー(根本美鶴代)とケイ(増田恵子)、作詞・阿久悠、作曲・都倉俊一、振付け・土居甫(どいはじめ)、衣装・野口庸子、プロデューサー・相馬一比古、そしてビクターのディレクター・飯田久彦──。

 これが「ピンク・レディー」という巨大な幻想を作り上げた“七人のサムライ”ということになる。すでに阿久と土居、相馬の3人が鬼籍に入っていることが70年代の遠さを、そして過酷な作業であったことを物語るようだ。

「ビクターの上層部には『何であっちを指名しなかったんだ!』とどなられましたよ。でも、僕が作りたいと思ったのはミーとケイの2人だったから」

 飯田は「ルイジアナ・ママ」のヒットで紅白にも出場した歌手だったが、75年にディレクターとしてビクター音産に入社。そして76年2月16日、日本テレビの「スター誕生!」で14社が指名した清水由貴子には目もくれず、会社の反対を押し切ってミーとケイを獲得。

 前年に大好きなザ・ピーナッツが引退したことを受け、踊って歌えるユニットが欲しいというのが飯田の理由だった。

「ただ、2月にスカウトして8月25日にデビューさせるというのは突貫工事もいいところ。当時の新人賞レースに間に合わせるには、じっくり準備して翌年の3月か4月にデビューさせるのが常識でしたから」

 76年の新人賞レースは新沼謙治と内藤やす子が独走していた。ここに後発のミーとケイが対抗するためには、大胆な発想こそが必要と飯田は思った。

 まず、ユニット名の候補だった「白い風船」ではなく、都倉が命名した「ピンク・レディー」という刺激の強いものにした。デビュー曲もB面の「乾杯お嬢さん」と、土居が考案した股を開く振付けの「ペッパー警部」で意見が分かれたが、飯田や阿久が推した「ペッパー警部」に決定。

「今思えば、新米ディレクターがことごとく会社を無視してますよね。老舗のビクターでしたから、股を広げるダンスに『会社として恥ずかしくないのか!』と言われた。ただ‥‥賛否両論は大いに結構です。総論賛成なものって、ヒットには結びつかないと思っていましたから」

 飯田はマネジャーである相馬と、2人のファッションについても意見が一致した。この76年はロングスカートが全盛期だったが、だからこそミニで勝負しようと思った。そのため、プライベートでもミニスカートかホットパンツで過ごすことを徹底させたという。

 本来、さわやかなフォークデュオを目指していたミーとケイは、あまりの環境の変化に、ふと飯田に漏らしたことがあった。

「私たちじゃなくても良かったんじゃないですか?」

 静岡から上京した素朴な2人にとってみれば、スパンコールのついた超ミニの衣装でのデビューは考えてもみなかったことだろう。

 ただし、165センチのミーと163センチのケイ──当時としてはダイナミックでオーラを放つ肉体があってこそ実現したプロジェクトであった。

全文を読む
カテゴリー:
タグ:
関連記事
SPECIAL
  • アサ芸チョイス

  • アサ芸チョイス
    政治
    2026年06月24日 20:00

    中道改革連合の伊佐進一衆院議員(比例近畿ブロック)というと、青いスパンコールのジャケットや華やかな蝶ネクタイといった「派手な服装」をしていることで有名になった。最近は自民党総裁選での中傷動画疑惑をめぐり、国会で高市早苗首相を積極的に追及して...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    政治
    2026年06月26日 11:00

    超親密を保っていたアメリカのトランプ大統領とイタリアのメローニ首相が突然、激しく罵り合う。一枚の写真がきっかけだった。トランプ大統領はフランスで開催されたG7サミットでの「出来事」を、イタリアのテレビインタビューで、次のように明かしたのであ...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    政治
    2026年07月02日 07:00

    AI支援の標的追尾、電子戦、ジャミングを避ける光ファイバー式FPVドローンまで登場したウクライナ戦線。その塹壕で兵士が最後に手にするのは、ミサイルでもレーザー兵器でもない。なんとも小さな道具だった。FPVドローンとは、操縦者がゴーグル越しに...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    注目キーワード
    最新号 / アサヒ芸能関連リンク
    アサヒ芸能カバー画像
    週刊アサヒ芸能
    2026/6/23発売
    ■650円(税込)
    アーカイブ
    アサ芸プラス twitterへリンク