社会
Posted on 2023年04月08日 05:58

千葉県「菜の花の名所」が全滅!槍玉に上げられたのは「鉄道ファン」だった

2023年04月08日 05:58

 春ともなれば日本各地で花が咲き、そこには多くの観光客が訪れる。中でも千葉県は桜と菜の花で知られ、東京から近いこともあって、毎年バスツアーが組まれるほどの人気ぶりだ。ところが今年、千葉の菜の花の名所に異変が起きている。

 それは市原市にある通称「石神の菜の花畑」。畑の真ん中を突っ切る形で小湊鐵道の線路があり、菜の花と列車を同時に撮影できると、鉄道ファンだけでなく一般の観光客も数多く訪れる。

 ここはもともと水田だったが、休耕田になったのをきっかけに菜の花の種を撒き、毎年、地元のボランティアが保全を行ってきた。

 ところが今年は、菜の花が全く咲いていないのだ。それを知らずに現地を訪れて「なぜこんなことになっているのか」「菜の花はどこへいったの」との嘆きが、SNSのそこかしこで見られるのだ。石神を毎年訪れている鉄道ライターが言う。

「石神の菜の花はここ数年、毎年のように不作で数が少ないと、話題になっていました。地元の人によると、原因は連作障害ではないかと。菜の花はアブラナ科アブラナ属の植物で連作障害が起きやすいのに、毎年続けて種を撒いたのがよくなかったようです。似たような現象は、栃木県の真岡鐵道でも起きています。北真岡駅近くの菜の花畑が有名ですが、やはり連作障害で数が減ったことがありました」

 ただ、今年は連作障害だけが理由ではないという。

「冬の間に菜の花の芽を、鹿とキョンが食べてしまったそうです。鹿よけの電柵を設置したのですが、破られてしまい、効果がなかったとか」(前出・鉄道ライター)

 そんな経緯もあって問題になっているのが、管理の難しさだ。菜の花を毎年育てるのは、人手もお金もかかる。

「19年には菜の花を守るためのクラウドファンディングが立ち上がり、多くの賛同者が集まって目標金額の100万円を達成しました。しかし、これで十分ではありません。そこで鉄道ファンに、厳しい目が注がれることになりました。撮り鉄は列車に乗らず、菜の花の保全に力を貸すことも、まずありません。以前から『地元の人が育てた菜の花の景色にタダ乗りしている』という批判がありましたが、それが強くなっています」(前出・鉄道ライター)

 鉄道ファンと地元の人たちが力を合わせれば、来年は立派な菜の花畑ができあがるはずだ。

全文を読む
カテゴリー:
タグ:
関連記事
SPECIAL
  • アサ芸チョイス

  • アサ芸チョイス
    社会
    2025年03月23日 05:55

    胃の調子が悪い─。食べすぎや飲みすぎ、ストレス、ウイルス感染など様々な原因が考えられるが、季節も大きく関係している。春は、朝から昼、昼から夜と1日の中の寒暖差が大きく変動するため胃腸の働きをコントロールしている自律神経のバランスが乱れやすく...

    記事全文を読む→
    社会
    2025年05月18日 05:55

    気候の変化が激しいこの時期は、「めまい」を発症しやすくなる。寒暖差だけでなく新年度で環境が変わったことにより、ストレスが増して、自律神経のバランスが乱れ、血管が収縮し、脳の血流が悪くなり、めまいを生じてしまうのだ。めまいは「目の前の景色がぐ...

    記事全文を読む→
    社会
    2025年05月25日 05:55

    急激な気温上昇で体がだるい、何となく気持ちが落ち込む─。もしかしたら「夏ウツ」かもしれない。ウツは季節を問わず1年を通して発症する。冬や春に発症する場合、過眠や過食を伴うことが多いが、夏ウツは不眠や食欲減退が現れることが特徴だ。加えて、不安...

    記事全文を読む→
    注目キーワード
    最新号 / アサヒ芸能関連リンク
    アサヒ芸能カバー画像
    週刊アサヒ芸能
    2025/7/22発売
    ■620円(税込)
    アーカイブ
    アサ芸プラス twitterへリンク