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記事全文を読む→中日落合監督が明かした「オレ流采配」の真実完全試合目前「山井の交代はマメが血を噴いていたからだ」
就任以来、8年でリーグ優勝4回の実績を残し、今シーズンでユニホームを脱ぐ中日・落合博満監督(57)。これまで多くを語ることはなく、独自の采配が論議を呼ぶこともあった名将が11月21日、オレ流采配の内幕を初めて明かす著書「采配」(ダイヤモンド社刊)を出版した。
数々の采配の中でとりわけ論議を呼んだのは07年、日本ハムとの日本シリーズ第5戦で、8回終了まで完全試合を続けていた山井大介(33)を9回に交代させたシーンだ。落合監督は当時の真相をこうつづる。
〈山井は4回に右手中指のマメが破れ、血が噴き出しながら渾身の投球を続けていた〉
日本シリーズ初の完全試合という大記録を目前にして、最後の守りを思案する落合監督だったが、
〈そこに、森コーチがやってきてこう言った。『山井がもう投げられないと言っています』〉
落合監督自身、〈私も山井の完全試合を見たかった〉と記しているとおり、あれは非情采配などではなかったのだ。53年ぶりの日本一のために取った最善の策が、守護神・岩瀬仁紀(37)への継投。のちにさまざまな憶測が流れ、落合監督自身、批判の的にもなった。しかし、
〈すべては、あの場面で私が監督として決断し、その結果として『ドラゴンズは日本一になった』という事実だけが歴史に残るのだ〉
としている。中日OBの野球解説者・藤波行雄氏はこう分析する。
「『このチームは岩瀬で勝つ』ということをチーム全員に再認識させることができたのではないでしょうか。チームを同じ方向に向けさせるための独特のやり方で、これは就任以来8年間、徹底されていました」
これまでの落合采配で、もう一つ疑問の声が上がったのが、ゴールデングラブ賞を獲得している遊撃手・井端弘和(36)と二塁手・荒木雅博(34)のポジションを入れ替えたことだ。その本心は、井端と荒木の守備に対する意識を高め、より高い目標を持ってもらうため。そして、
〈2、3年先を考えると、井端の後釜に据えられる遊撃手が見当たらなかった。(中略)近い将来にチームが困ったことになると感じたのなら、思い切った手を打たなければならない〉
というビジョンがあったのだ。さらに、
〈この先、(荒木が)二塁手に戻るようなことがあれば、(中略)遊撃手を経験したことにより、荒木の守備力は『上手い』から『凄い』というレベルに進化しているはずだ〉
と明言している。落合監督が8年間で作り上げた中日を、藤波氏はこう評価する。
「もちろん申し分ないですよ。中日でこんな実績を残した人はいませんからね。特に1年目、戦力が満たない中、個人の底上げを徹底して『勝つ野球』というより『負けない野球』を目指した。これが原点でしょう」
この「負けない野球」について、落合監督は著書でこう言及している。
〈試合は1点を守り抜くか、相手を『0』にすれば負けないのだ〉
それゆえ、水モノと言われる打撃ではなく、ある程度計算できる投手に重きを置く。
「これからもどこかのユニホームを着ることがあるかもしれないし、その手腕は他の監督が見習うべきところも多い。だけど、それは誰にでもできることではないのです」(前出・藤波氏)
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