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記事全文を読む→テリー伊藤対談「山本寛斎」(4)傷ついた時にはどこで泣きます?
テリー 運営費のほうはどうですか。寛斎さんのやりたいことを追求すると、やはり相当かかるでしょう。僕は東京ドームでも武道館でも、寛斎さんのショーに出させてもらってるんです。その時に着用させていただいた衣装が、裏地から何から何まで、ものすごく凝ってるんです。寛斎さんは、1万円でできるものを、10万円かけてますよね。
寛斎 そうですね(笑)。
テリー 普通の人は、本当なら1万円のところを5000円で安く済ませていますよ。だけど寛斎さんの服はその逆で。それが、下手すると何百人分もの衣装ですよね。
寛斎 そうです。どうしてもこうやりたいという、自分の中の正義の刃みたいな思いがありますから、ついつい数字のほうをおろそかにして、あとで請求書を見たらびっくりみたいな。
テリー 赤字になったらどうするの。死んだ振りをする(笑)?
寛斎 ハハハハ。いや、女房子供を質に入れる世界ですよ。だから、今は何に苦しんでいるかというと、やはり予算の獲得です。前にテリーさんとは、経済人のトップと出会う場所でお見かけしたことがありますよね。あれをいまだにやってますから。
テリー そうなんですよね。寛斎さんのすごいところは、あれだけのデザイナーでありながら、お金集めもみずからがやっていることですよね。そのパーティの時、僕は会場の壁のところ、隅っこに立っていたんです。そしたら寛斎さんが来て「おい、そんなところに立ってても1銭にもならないよ。センターに突っ込んでいこう!」って言って、ご自分の名刺をいっぱい持って、突っ込んでいったんです。寛斎さんは覚えているかどうかわからないけど。
寛斎 覚えてます、覚えてます(笑)。
テリー ホントは「お前も来い」って言われたんですけど、僕は「勘弁してください」って言って(笑)。あの時に「この人は尊敬するしかねえな」と思った。スピルバーグとか、そういった作品を残す人たちというのは、絶対に資金の面でもみずから動くということをやっているんですよね。
寛斎 そうです。デザイナーとは何かというと、デザイン画を描く人、新しい何かを作る人というのはもう違ってますね。スピルバーグのように制作にも関わる、数字上の決済もする、足らなければその金額も用意する、そして作品でも勝負するという‥‥「総力戦」という単語を最近覚えたんですけど、そういう表現力を持たないかぎり、世界では生き残っていけないんですよね。
テリー だから僕はいろんなところで言っているんですが、2020年の東京オリンピックの演出は、山本寛斎さんしかいないですよ。
寛斎 それを言っていただけるのはありがたいことですけど、これは才能だけでどうにかなるものではないと思います。まあ私は、今回トルコでのショーをやれば、トルコの人はオリンピックの時もさらに日本にエールを送ってくれる関係になるだろうと。そうしていろんな国に、心から応援してくれる仲間を作っていくことが、私ができる自分なりのチャレンジかなと思って、こうしたことを続けていますね。
テリー 今後はどんなことをしていかれますか。
寛斎 目で見ることで通じる世界を創っていくのが私の表現の方法なんです。ですから、外交官のように言語を使って相手の国を説得するというタイプではない。それがファッションなのかイベントなのか、もっと広くなるのかわかりませんが、自分なりの美学が完成するところまで続けていきたいなと思います。
テリー それはすごく、大変なことですよね。寛斎さんのように、40年前から誰もやってないような生地を使ったり、デザインをしてやっていく、本当の意味のクリエーターからすると、最近は軟弱なデザイナーが増えていると思ったことはありますか?
寛斎 人を見て批判するより、自分の持ってる悩みとの戦いの量が多いので、誰かを見て、どうのこうの言う暇がないですね(笑)。よく言われるのは、「それだけいろいろご苦労されれば、もう免疫ができて、苦労には慣れてますか」と。でも、全然慣れない。次々と苦労は増えていきます。
テリー 感性が豊かな方は、傷つくこともいっぱいあると思うんですよ。
寛斎 ありますね。
テリー その時はどうするんですか、どこで泣くんですか。
寛斎 私よりもっと頑張ってる人が世の中にいるんですよね、仕事のジャンルが違えども。私は今も、しんどいです。あまりにもしんどくて、ふだんは運動するんですけど、起きて、今日は運動する元気もないという時もあります。だからすぐ太っちゃうんですよ。そんなことがありまして、何回か「苦しみを克服する極意ってないかな」と思っていろいろやってみたんですが。極意はないんですね。
テリー そうですよね。
寛斎 やっぱりない。本当に笑っちゃうぐらい、次々と痛みに向かって突っ込んでいってますから。ビジネスにならなくて、こういう文化交流を自分でお金を集めてまでもやっている人間は2人といないですね。これだけは自信を持って言えます。まあ、前代未聞のことをやらせてもらえているのは、ありがたいことだと思います。
テリー 寛斎さんは僕らにとって憧れでもあるし、目標でもあるし、いつまでもそうであり続けてほしいですね。
寛斎 逆にテリーさんのほうが私にとって目標ですよ(笑)。毎朝見て、ああ今日も鋭いなとか、このコーディネート憎いなとか思ってます。テリーさんは同志ですから。
テリー いやいや、寛斎さんこそ恩人です。
◆テリーからひと言
世界に通じる大きなイベントを企画演出できる人は山本寛斎さんしかいない。私はこれからも東京オリンピックの演出は寛斎さんに任せるべきだということを言い続けていきます。
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