東日本大震災からすでに8カ月。福島第一原発はいまだ冷温停止状態には至らず、余震なのか、全国で地震が頻発する状況は変わっていない。
そんな折、「缶詰からセシウム」という衝撃的なニュースが報じられた。環境保護団体グリーンピースが第三者機関を使って魚介類や加工食品計75点の放射性物質を検査した結果、27点から微量の放射性セシウムが検出されたのだ。同団体・海洋生態系問題担当の花岡和佳男氏が語る。
「今回調査した全ての小売業者でセシウムが出てしまいました。汚染された魚が広く流通されていることが明らかになったのです。これからの季節に食べるマダラ、メバチなど冬の魚に多く検出されました」
アピタ戸塚店(神奈川県)で販売されていた北海道産マダラの47・3ベクレル/キロをはじめ、イトーヨーカドー、ダイエー、イオンなど大手小売りの商品から検出されたのだ。これは国が定めた暫定基準値の500ベクレル/キロを大きく下回っており、“直ちに影響はない”レベルであるようだが、ホスメック・クリニックの三好基晴院長はこう警鐘を鳴らす。
「セシウム137は1ベクレルで0・013マイクロとしているが、これは信頼性が低く、正確な影響はわからない。数値は少しでも低いほうがいいとしか言えない」
今回の調査結果の中で空恐ろしいのは、イオンいわき店(福島県)の「サバの水煮」から4・6ベクレル/キロのセシウムが出たこと。切り身などの生鮮食品ではなく、調理・加工された缶詰から検出されたのだ。“放射能オツマミ”はすでに大手流通網に乗っているのである。さらに三好院長が続ける。
「半減期が約1570万年のヨウ素129も測定すべき。ヨウ素131は減少し問題ないとなっているが、ヨウ素129の存在が隠蔽されている。ヨウ素131も129も甲状腺に取り込まれると、放射性甲状腺ホルモンができ、放射線を出すことがある」
まだまだ隠された数字があるとする専門家もいるのである。だが、このような論調が風評被害につながるという指摘も一方ではある。
「これらの数値が高いか低いかというのは、消費者が決めることです。例えば、サバ缶の中身は『サバ』としか書いてない。何サバかもわからないし、捕獲水域もわからない。不安を払拭するためにも情報を開示する必要がある。私たちは、数値を出すことが安心・安全につながり、それが漁業の復興になると考えています」(前出・花岡氏)
消費者である我々はどこの何を口にするか、情報を集めて選択する時代になっているのかもしれない。
「魚に限らず全ての食品の検査をして、その数値を表示し、費用は全額東電が負担すべき。その結果、売れないものが出てきたら、『安全だ』と喧伝してきた政治家や官僚や御用学者が食べればよい」(前出・三好院長)
放射能と食の問題はまだまだ続きそうだ。
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