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「たけし金言集」殿の引越しについて(2)

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 さて、話を殿の引越しに戻しましょう。

 15年以上も前、わたくしが軍団に入りたての頃は、殿は仕事部屋をちょくちょく移されていて、そういった引越しは、業者でなく、軍団の若手の仕事と決まっていました。

 当時も今も、圧倒的人気タレントであるビートたけしの引越しは、今でいう個人情報の観点から、業者といえども、見ず知らずの方に頼むのは何かと不安なため、弟子であるわたくしたちの仕事でありました。

 当時、軍団の最若手であり、殿とまったくといっていいほどコミュニケーションのなかったわたくしにとって、殿のプライベートな空間を垣間見れる“仕事部屋の引越し”は、かなりテンションの上がる作業の1つでした。

 忘れもしません。初めて殿の仕事部屋にお邪魔した日のことを──。〈うわ~殿はこの机で映画の台本を書いてるのか? ここで寝たりしてるのか!?〉等々、とにかく興奮したものです。

 そして、あの頃の殿は、引越しが決まるとその数日前に、軍団の若手を呼び集め、衣装であろうが、私服であろうが、とりあえず部屋にある衣服を、弟子に配るといった、“たけしのお下がり大放出大会”がもれなく開催されたのでした。

 この、お下がり大放出は実に豪快なもので、引越しのため少しでも荷物を減らしたい殿は、

「おう、それも持ってけ」

「これもいいぞ」

 と、ろくに確かめもせずに、わたくしたちに衣類を放り投げてくるのです。さらに、衣類だけにとどまらず、靴、カバン、ゴルフのフルセットといった、どれもこれもお値段の張る“高級物資”を、惜しげもなくお配りになるのです。

 わたくしは、殿がかつてヨーロッパの映画祭で着用した、有名ブランドの紺のスーツをいただいたことがあります。

 ちなみにわたくし、身長、ウエスト、股下が、殿とほぼ一緒なため、衣類関係は何を頂いても嫌味なくらいジャストフィットしてしまう実に都合のいい弟子なのです。まーわたくしの“お下がりにおけるジャストフィット感”はさておき、とにかく弟子にとって夢のような大放出が引越しのたびに開催されていました。

 で、一昔前にはこういった大放出がなかったからか、殿はテレビなどでよく、“弟子に引越しをお願いするたびに貴重品がなくなる”といった話を面白おかしくされていました。

 その中でも、殿から直接何度も聞いた強烈なやつを最後に──。

 20年近く前、かなり高価な代物が、引越しの際になくなったそうです。

「番組でもらった金の延べ棒が引越しの時になくなったんだよ。そしたら弟子の○○○がしばらくしてベンツに乗って現場に現れたんだから。誰がどう見てもあいつなんだよ」

 殿も何かと豪快ですが、昔は弟子の方も、なかなか豪快だったようです。

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