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江川卓が初めて告白する「ドラフト1位指名3回拒否」の舞台裏!父親が説いた「男気論」とは

「この話は初めてするのかな。自分のチャンネルを持ったので、時間が経ったので、お話してもいいかなと今思ったんでしょうね。父親ももういないので…」

「昭和の怪物」と呼ばれた江川卓氏が自身のYouTubeチャンネル〈江川卓のたかされ【江川卓 公式チャンネル】〉で明かしたのは、50年前の「あの一件」だった。

 1974年の元日、江川家の対応が批判を浴びた。

 江川氏はドラフト会議で3度も1位指名を受けた、稀有な存在だ。最初は高校3年時の1973年、阪急ブレーブス(現・オリックス)から。大学進学を表明していた江川氏はこれを固辞したが、定年を控えたベテランスカウトが大晦日の夜に江川家を訪れ、江川氏の父親を説得。ふすま越しに聞いていた江川氏が要約すると、

「無理だとわかりました。明日、早朝に最後のアタックをしに来ます。新聞記者の方とかみんな来るので、その時に門を開けないで下さい」

 これを了承した父親に、若き江川氏は、

「ウチが悪者になるんじゃないの?」

 ところが父親はこう言って、男気を説いた。

「スカウトを一生懸命、何十年もやられた方が、もう諦めてお願いに来た。男が頭を下げるというのは、どういうことなのかわかるのか。定年の最後の仕事に、お願いを男としてウチに来られた。これをノーと言えるのか」

 大学4年時の1977年ドラフト会議では、クラウンライターライオンズ(現・西武)から1位指名。これも拒否し、1978年には南海、近鉄、ロッテ、阪神の4球団から3度目の1位指名を受けて阪神が交渉権を得るも「空白の1日事件」により、阪神から巨人へのトレード移籍工作が施された。

 様々な憶測、そして浴びた批判の裏には、江川氏の父親の男気論があったのである。

(所ひで/ユーチューブライター)

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