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国税庁が7月1日に発表した「都道府県庁所在都市の最高路線価ランキング」によると、今年1月1日時点で前年比24%増、全国2位の上昇率を示したのは、熊本県菊陽町だった。
さらに6月に発表されたデータでは、熊本市の宿泊者数が過去最高の353万人に達し、観光消費額は934億円に上った。外国人宿泊者数は前年の9.2倍となる43万4000人に達し、いずれも過去最多となっている。中でも、台湾からの訪問者は、最多の11万2000人である。
どちらも今年2月に台湾積体電路製造(TSMC)の半導体工場が菊陽町で稼働を開始したことが、主な要因と考えられる。熊本では2027年に、第2工場の稼働が予定されている。
外国人宿泊数だけを見ても、全国18位の熊本県。現地はさぞ盛り上がっているかと思いきや、
「実はそうでもないんですよ」
と肩を落とすのは、地元の男性会社員だ。
「TSMCの工場ができてから、台湾からの駐在員とその家族だけで、約750人が熊本に入ってきました。さらにTSMCの関連企業や下請け会社など、半導体企業が次々と熊本に工場を建設しています。その結果、台湾人のマイカーが道路に溢れ、平日休日を問わず、常に渋滞が発生しています。熊本は車社会であり、ほとんどの人がマイカー通勤をしているため、出社や帰宅時に大きな影響が出ているんです」
ここに外国人観光客のレンタカーが加わり、市内の交通状況は、以前とは全く異なるレベルになっているというのだ。市内の飲食店の男性からは、悲痛な声が。
「熊本市に宿泊する外国人のほとんどは、TSMCの工場に勤務する台湾人駐在員の家族や親戚であり、台湾から観光に訪れている人たちです。彼らが市内で観光するのは熊本城周辺くらいで、あとは阿蘇や市外の温泉地に行くことが多いですね。なので熊本市内で食事をする姿はあまり見かけません。ここのところの大雨の影響もあって客足はまばらで、観光客が増えたと言われても実感が湧かないんですよね」
実際にこの男性が働く店の客層は見慣れた地元の顔ぶればかりで、外国人客の姿を見かけることはほとんどない。
結局、目立っているのは渋滞ばかり、という熊本。インバウンドバブルの波に、うまく乗っていけるのだろうか。
(旅羽翼)
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