芸能

ブラックマヨネーズ「伝説の漫才」①~「最初は弱火でコトコト煮込む」勇気

 近年、どんどんレベルが上がってきている漫才。かつてのオードリーやミルクボーイ、最近ではウエストランドなど、独特のスタイルで名を上げた漫才師が記憶に残るが、中でも飛び抜けて「伝説の漫才をやった」と称賛されているのが、ブラックマヨネーズだ。

 中川家・中川礼二が、さや香の「M-1グランプリ2022」決勝1本目のネタを見て評価するのに「なんか2005年のブラマヨ見てるみたいな感じ、しゃべくり」と形容したほどだ。

 フットボールアワーの後藤輝基は、営業先でブラマヨが優勝したM-1グランプリの放送を見て驚いたことを、今も思い出す。

「ブラックマヨネーズが、俺らが見てないその数年間で(急成長して)、もう俺、びっくりして。いや、笑われへんかってん。営業先で見てん、覚えてるわ。1本目を見た時に、みんな笑ってんねんけど、俺もう笑われへんかってん。凄すぎて。ほんで、みんな『結果、どうなんねやろな』とか言って。結果見んと帰ったん、覚えてる。『もう、こんなんもう、優勝に決まってるやん』って言うて」

 大いに触発された後藤はその後、2003年の王者でありながら、2006年に再度、M-1グランプリに挑戦することに。

 麒麟の川島明も、ブラマヨに一目置いている。勇気のいるネタだと称えているのだ。

「一発、後半にサビがドンッとくるまでの2分間を、言うたらこう弱火でね、コトコト煮込むという。これ、震えるんすよ。やっぱ怖くて、最初一発、強めにボカンといきたいなって」

 同業者として、その内情を推測するのだった。

 ブラマヨの小杉竜一は「伝説の漫才」の裏側を明かしている。

「最初、そんなにウケへんけど。笑いも取りにいってへんし。『そこは焦らずにやろうな』っていうのを、ずっと話し合って練習して。まぁ、劇場レベルではそれができてたから。なんとか(M-1の)準決勝できるようにっていう調整で、頑張ってたけどな。月1イベントやって、そこで新ネタ作って」

 日々の絶え間ない精進が伝説を作ったのだ。

(坂下ブーラン)

1969年生まれのテレビディレクター。東京都出身。専門学校卒業後、長寿バラエティー番組のADを経て、高視聴率ドキュメントバラエティーの演出を担当。そのほか深夜番組、BS番組の企画制作などなど。現在、某アイドルグループのYouTube動画を制作、視聴回数の爆発を目指して奮闘中。

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