社会

大阪の飲食店が人手不足を解消する「実験」開始…でもクラブママが嘆くのはなぜか

 大阪の飲食店などが加盟する「大阪外食産業協会」は、深刻化する人手不足に対応するため、飲食店同士が従業員を融通し合う実証実験を開始した。

 登録している店が人手不足に陥った際、アプリで「ヘルプ」を発信すると、シフトに余裕がある他の飲食店から従業員が派遣される仕組みであり、派遣された従業員の給与は、要請した店が負担することになる。全国的に人手不足が深刻化しているが、これは居酒屋やレストランなどに限った問題ではない。

 夜の業界でも慢性的な人手不足に苦しんでおり、

「適切にヘルプを依頼できるシステムが存在しない」

 と語るのは、大阪市内のクラブのママである。

「クラブやスナックを対象にした夜の店向けの派遣サービスは存在しますが、当日の午後までに依頼しなければならない点がネックなんです。ホステスの中には昼間の仕事をしている子が多く、残業などで急に出勤できなくなることがあります。そのため、営業開始直前や営業中に当日欠勤の連絡が入ることも。ところが派遣の依頼時間を過ぎているため、結局は人手が足りないまま営業するしかないのが現状です」

 かつては親しい店から従業員を派遣してもらうことがあったが、現在ではどの店も人手不足に悩んでおり、それは難しくなっていると、このクラブママは続ける。

「昔に比べて水商売の間でのつながりが薄れてきた、というのも一因です。コロナ禍で昔気質のママが引退してから、若いママが増えたことが影響していると思いますね。ガールズバーやコンセプトカフェの増加も、クラブやスナックの人手不足に拍車をかけています」

 夜の業界にも急な人手不足に対応できるシステムがあればいいのだが、実現は難しいのかもしれない。

(カワノアユミ)

カテゴリー: 社会   タグ: , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<マイクロスリ―プ>意識はあっても脳は強制終了の状態!?

    338173

    昼間に居眠りをしてしまう─。もしかしたら「マイクロスリープ」かもしれない。これは日中、覚醒している時に数秒間眠ってしまう現象だ。瞬間的な睡眠のため、自身に眠ったという感覚はないが、その瞬間の脳波は覚醒時とは異なり、睡眠に入っている状態である…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<紫外線対策>目の角膜にダメージ 白内障の危険も!?

    337752

    日差しにも初夏の気配を感じるこれからの季節は「紫外線」に注意が必要だ。紫外線は4月から強まり、7月にピークを迎える。野外イベントなど外出する機会も増える時期でもあるので、万全の対策を心がけたい。中年以上の男性は「日焼けした肌こそ男らしさの象…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<四十肩・五十肩>吊り革をつかむ時に肩が上がらない‥‥

    337241

    最近、肩が上がらない─。もしかしたら「四十肩・五十肩」かもしれない。これは肩の関節痛である肩関節周囲炎で、肩を高く上げたり水平に保つことが困難になる。40代で発症すれば「四十肩」、50代で発症すれば「五十肩」と年齢によって呼び名が変わるだけ…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , |

注目キーワード

人気記事

1
「京都崩壊」の信じがたい現実…外国人観光客専用都市に激変した「不気味な風景」
2
商品価値が落ちたヤクルト・村上宗隆「メジャー計画変更」で大谷翔平と同じ道を
3
山尾志桜里の「公認取り消し」騒動を起こした玉木雄一郎は「榛葉幹事長人気に焦った」って!?
4
土壌ラドン濃度・衛星観測・上空発光…火山噴火と大地震「前兆キャッチ」の新技術がスゴイ!
5
「絶対にやめろ」に大反発!トルシエ元日本代表監督が初めて明かした日本サッカー協会とのバトル