大阪ミナミのメンズコンセプトカフェで、無許可の接待行為を行わせていたとして、経営者の大田正人容疑者ら9人が5月21日、風営法違反の疑いで大阪府警に逮捕された。
府警の発表によれば、大田容疑者らは大阪市中央区でメンズコンカフェなど計5店舗を運営。昨年11月から今年4月にかけて、男性スタッフを客の隣に座らせ、談笑させるなどの「接待」を、必要な風俗営業許可を得ずに行わせていた。
こうした「グレー営業」は、今に始まったことではない。大阪ではここ数年、「メンズコンカフェ」や「バー」などの名目で営業しながら、実際には接待行為を行う無許可店舗があとを絶たないのが現状だ。
大阪のナイトカルチャーに詳しいジャーナリストが語る。
「東京のバーやガールズバーとは違って、大阪のメンズコンカフェではカラオケやテーブルゲームなど、エンタメ要素がかなり濃い傾向があります。普通にカウンター越しに話すだけでは客が満足しないケースが多く、自然と『隣に座って一緒に盛り上がる』スタイルになる。でもそれって、立派な接待行為なんですよね。店側は『バーの延長』くらいの感覚でやっていた可能性が高く、無意識のうちに法に触れているケースは多いでしょう」
メンズコンカフェはブームが過熱する一方で、法規制への理解不足や軽視が招いた摘発事例が、確実に増えている。「癒やし」や「推し活」の場であるはずの空間が、気付かぬうちにグレーゾーンに踏み込んでいた…そんなケースは珍しくないのだ。
いま一度、行政による風営法の周知徹底と、業界全体の意識改革が求められるゆえんである。