芸能

清水国明「『直角死』が理想かなと思ってます」/テリー伊藤対談(4)

テリー トレーラーハウスっていうのはコンテナみたいなもの?

清水 コンテナよりも全然、家です。トイレも風呂もベッドルームも全部ある。

テリー そこに何人ぐらい住めるんですか。

清水 家族全員です。色々種類がありますけど、うちの息子は中学校を卒業するまで河口湖のトレーラーハウスで過ごしてました。色々な事業をやってますけれども、一番やりたいのはRVパークです。今、河口湖にトレーラーハウスを14台持ってます。それは災害の時、熊本の益城町というところにも送り出しましたし、3.11の時も送りました。

テリー はぁ、すごいなぁ。清水さん、もう73歳じゃないですか。話はコロッと変わりますけども、「死」に関してはどんな意識ですか。

清水 今、終活中ですからね。世の中にごめんなさいとか、御恩返しする時だなとは思ってますね。で、自分自身の生き方、死に方に関しては、「直角死」が理想かなと思ってます。

テリー 直角死?

清水 できることの100%をやり切って、寿命が来たらパコンと死ぬみたいな。

テリー 電源が切れるみたいな。

清水 そうですね。今まで一番デカい魚を釣った瞬間にドボンと死ぬとかね。最近は腹上死がいいなとは思うんですけれども(笑)。そういう瞬間にパッとね。

テリー 直角死っていいですね。これから使わせていただきます。ただね、そうできない場合もあるじゃないですか。例えば肉体的に弱ってきて、直角死したいんだけど‥‥という。それって歯がゆいですよね。

清水 自分の肉体的な衰えをカバーする方法は、色々あると思いますよ。私、今、無人島を持ってますけれども、そこを放し飼いの老人牧場にしたいなと思っていて。

テリー 何ですか、それは。

清水 老人たちが集まって、できないことをやろうとする場ですよね。例えば「胃ろう」って言うんですか、体に穴を開けて、生き永らえるだけの人生って、何か寂しいじゃないですか。僕は長く生きるだけが大切じゃなくて、ずっとチャレンジを続ける人生の方がいいと思ってますので。そういう生き方、死に様を残せたらなと思ってます。

テリー 死ぬのは怖くない。

清水 「年は取りたくない」って、大人が後ずさりするから、若いのが年を取っていかないんですよ。「成長しなくていい」と思っちゃうわけですね。だから大人はどんどん前に行って、みんなが前に出られるようにしないと。

テリー 前が進まないと後ろが詰まっちゃうんだ。

清水 そうそう。そのためには、やるだけのことをやったら思いきりポンと死にゃあいいと思いますけどね。だから、生きてるうちに、やるだけのことを全部体験したいと思いますね。

テリー やるだけのことって何ですか。お金じゃないですよね。

清水 いや、でも一番やってないのは大金持ちになることなんですよ。それは今までやれてない。最近、大金持ちといっぱい付き合ってますけれども、不幸せな大金持ちって多いですね。今のお金持ちって、稼ごうというよりも、なくさないことに必死になってるから、そういう金持ちになりたいと思わないですけど。

テリー どんなお金持ちがいいですか。

清水 だから、幸せな小金持ちがいいかもしれないですね。今月も年末もお金の心配しなくてもいいぐらいの。僕、ずっと資金繰りをやってますから。それを考えすぎて、(ヒジを指さして)ここにグリグリができて、取ってみたら「資金繰り」だったという。

テリー アハハハ、清水さん、やりますね。衰えてない。

清水 いやいや(笑)。でも、お金の心配が一番ストレスですからね。そういう心配のない生活を、僕自身も、僕に関わってくれた人たちもしなくていいパラダイスが作れるんじゃないかと最近は思ってますね。

テリーからひと言

 清水さん最高だったな。すごく勉強になったよ。無人島に年寄りを集めるっていうアイデアも面白いな。ぜひ実現させてください。

ゲスト:清水国明(しみず・くにあき)1950年、福井県生まれ。1973年、原田伸郎氏とのコンビ「あのねのね」として「赤とんぼの唄」でデビュー。以降、多くのテレビ・ラジオなどに出演。90年代からはアウトドア志向の活動が増え、1995年にはアウトドアライフネットワーク「自然暮らしの会」を主宰。2004年には山梨県富士河口湖町に「NPO法人河口湖自然楽校」を設立し、アウトドアパーク「森と湖の楽園」を開園。2013年には山口県周防大島片島の無人島を購入、「ありが島」と名づけ、「無人島キャンプ場」をプロデュース。また東日本大震災以降、被災地域の復興支援も積極的に行う。2024年、東京都知事選挙に立候補した。

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