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藤田菜七子「電撃引退」で露呈したJRAぬるま湯「騎手管理」実態!(1)騎手と通信した関係者もアウト

 女性騎手のパイオニア・藤田菜七子の電撃引退の波紋は広がるばかりだ。「外部との通信違反」に対する処分は当然とはいえ、トレセン内からは「通信相手の厩舎関係者への処分は」「違反者は藤田だけじゃないだろう」という声も。一方、他の公営競技関係者からは「スマホを宿泊施設に持ち込めていたこと自体が笑止千万」と手厳しい指摘が─。

 10月9日、藤田菜七子(27)が「調整ルーム」(騎手の宿泊施設)内でスマートフォンを使い、外部と複数回、通信していたことが発覚。これでここ1年半ほどの間に、10人ものジョッキーがスマホの不適切使用で騎乗停止処分を受けたことになる。スポーツ紙レース部デスクが一連の流れを解説する。

「藤田をかばうわけではないが、今年5月に発覚した水沼元輝(22)と、10月7日に騎乗停止処分(期間未定)が科せられた永野猛蔵(22)、小林勝太(21)のケースとは事情が異なる。昨年6月から不正防止のため、調整ルーム内への通信機器の持ち込みが禁止されている中、水沼は専用のロッカーにスマホのケースのみ、永野と小林勝はスマホを2台持ち込んで1台だけを預けるというJRA職員の目を欺くような偽装工作をしていた。その上、水沼は飲食店への予約やTikTokの閲覧など、プライベートで利用していた」

 そもそも昨年4月、今村聖奈(20)ら若手騎手6人のスマホの不適切使用(一律30日間の騎乗停止処分)が発覚する以前は、外部との通信はしないことなどを条件にスマホの持ち込み自体は許可されていた。

「『ジョッキールーム』(レース場の控え室)への持ち込みは禁止されていますが、調整ルームでは事前にダウンロードしたレース映像などをスマホで見ることは許可されていた。しかし、若手騎手6人の使用が発覚後、JRAがすべての騎手に聞き取り調査を実施。その席で藤田は『ツイッター(現Ⅹ)とユーチューブの閲覧に使用した』とみずから申告していた(厳重注意処分)。ところが、実は複数の外部と連絡を取り合っていたと『週刊文春』が報じ、JRAが本人に確認したところ認めたため『虚偽の申告』だったと認定。藤田には10月11日からの一時騎乗停止処分が言い渡されたが、その際、師匠の根本康弘調教師の万年筆で泣きながら書いた引退届(騎手免許取り消し願い)を提出するという、残念な幕引きとなってしまった」(スポーツ紙デスク)

 今年8月には12人の世界のトップ騎手によって争われる「シャーガーカップ」(英国、アスコット競馬場)に世界選抜のメンバーとして参戦するなど、日本の女性騎手のパイオニアとして活躍していただけに、美浦や栗東のトレセンからは、様々な声が聞こえてきた。スポーツ紙レース部記者が話す。

「よく聞こえてきたのが『菜七子と通信していた厩舎関係者もアウトだろう』ということ。あと『当時は菜七子だけでなく、多くの厩舎関係者(調教師や調教助手、厩務員)が騎手にLINEをしてた』という話です。『週刊文春』の記事でも通信相手(厩舎関係者)の談話として、通信に対して『厳しい感じじゃなかったので』とあったが、調整ルーム内でのスマホ制限事情を知りつつ、厩舎関係者は業務連絡を名目に多くの騎手と通信していた。

 特にコロナ禍の頃は『認定調整ルーム』という特例制度が実施され、騎手は自宅やホテルから競馬場に移動することが認められていたので、当然ながらスマホの限定的な使用例は曖昧になるばかり。昨年4月の聖奈と角田大河(享年21)の不適切な通話にしても『認定調整ルーム』のホテルが舞台でした」

 今回、藤田菜七子ばかりが注目されているが、少なくとも昨春までは、厩舎関係者は騎手との業務連絡の一端として軽い気持ちでスマホを使い、騎手も調教の延長のノリで騎乗馬の情報を共有していたようだ。

「海外競馬ではスマホの持ち込みが自由ですからね。JRAにしても例外を認め、騎手会にしても積極的に通達していなかったことで、結果、若手を混乱させたと見る向きもありました」(スポーツ紙記者)

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