スポーツ

11月引退を決意した天龍源一郎が「革命と反骨39年」を語り尽くす!(2)圓楽師匠との銀座豪遊は青春

20150226e

── そして、87年に天龍革命(レボリューション)をスタートさせてトップに駆け上がりました。

天龍 その前に長州力選手が全日本に来て、好きなことをぶつけ合うというプロレスを仕掛けてきた。そのことで13歳から相撲をやってきた闘争心に火をつけられたんですよ。「これが俺のイメージしていたプロレスだ!」ってハマっちゃったんです。それで長州選手が新日本に戻ったあとにラグビーの世界選抜メンバーにもなった阿修羅・原選手に「源ちゃん、ガンガンやらなきゃプロレスは舐められるよ」って言われて、意気投合してレボリューションですよ。俺も阿修羅もそうだし、(天龍同盟は)冬木弘道、川田利明、小川良成、折原昌夫‥‥みんな斜に構えたひねくれ者の集まりでしたね(苦笑)。

 俺と鶴田選手に付け人がつくことになった時、冬木じゃなくて三沢光晴を指名していたら人生変わっていましたよ(笑)。類は友を呼ぶというか、スポットライト浴びてないでスネているヤツに「頑張れば光が当たるんだよ」っていう気持ちがあったんです。

── 確かに、あの時代はリング上もそうでしたけど、私生活も絶好調でしたよね(笑)。

天龍 青春でしたね。両国中学で同級生だった三遊亭圓楽師匠、圓楽師匠の取り巻きの人たちとの親交が生まれて、それが俺を貪欲にさせてくれましたよ。圓楽師匠に銀座で身銭切って飲めるようになるには年収がどれくらいあればいいのか聞いて「よし、そこまで頑張ってやろう!」って目標みたいなのができました。

 後々、圓楽師匠と圓楽師匠のスポンサー、俺の3人で銀座に行って1軒ずつ受け持てるようになった時に願いがかなったという思いがありましたよ。その時に全日本プロレスの屋台骨を支えるだろう三沢を「頑張ればこうなれるんだよ!」って連れ回したんです。発売されたばかりのアサヒスーパードライの試合後のうまさも忘れられない思い出ですね。リングの中で何があっても悔いはないって覚悟でやっていましたから、その裏返しで試合後にはバカみたいに酒飲んで暴れて、それで俗世に戻れるという感じでした。

── ガンガン闘って、ガンガン飲む毎日でした。

天龍 横綱の輪島大士さんが来たことで一般の人たちが全日本プロレスに興味を示してくれましたけど、その時に同じ相撲出身の石川敬士と「俺たちがガードしてあげなきゃ」って言っていたんです。それを知った輪島さんが高級メロンを届けてくれて、幼稚園生だったウチの娘(天龍プロジェクトの嶋田紋奈代表)は輪島さんのことを「メロンのオジサン」って呼んでいましたよ(笑)。

 その後、リングで敵対する関係になった時には、相撲の横綱の強さを際立たそうと思ってガンガンやったんだけど、俺の半端ない攻撃のほうが注目されてしまいましたね。

 鶴田選手に真っ向からぶつかっていったのは、彼はみんなが思っているようなイージーな格闘家じゃないということを知らしめたかったんですよ。鶴田選手はガンガン来る天龍を「マジでぶっ潰してやろう!」って思ったでしょうね。ファンにはおもしろかったと思いますよ、俺は生きざまから何から鶴田選手とは全部反対の方向に行きましたから。だから今、ちょっと失敗したかなと(苦笑)。

 彼はちゃんと人生設計を持っていたし、よくレフェリーを通じて「そんなに飲んでばかりいると肝臓を壊すよ」って言ってきたから「やかましい、この野郎!」っていうメッセージを返していました(笑)。

◆聞き手・小佐野景浩

カテゴリー: スポーツ   タグ: , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    ゲームのアイテムが現実になった!? 疲労と戦うガチなビジネスマンの救世主「バイオエリクサーV3」とは?

    Sponsored

    「働き方改革」という言葉もだいぶ浸透してきた昨今だが、人手不足は一向に解消されないのが現状だ。若手をはじめ現役世代のビジネスパーソンの疲労は溜まる一方。事実、「日本の疲労状況」に関する全国10万人規模の調査では、2017年に37.4%だった…

    カテゴリー: 特集|タグ: , , , |

    藤井聡太の年間獲得賞金「1憶8000万円」は安すぎる?チェス世界チャンピオンと比べると…

    日本将棋連盟が2月5日、2023年の年間獲得賞金・対局料上位10棋士を発表。藤井聡太八冠が1億8634万円を獲得し、2年連続で1位となった。2位は渡辺明九段の4562万円、3位は永瀬拓矢九段の3509万円だった。史上最年少で前人未到の八大タ…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , , |

    因縁の「王将戦」でひふみんと羽生善治の仇を取った藤井聡太の清々しい偉業

    藤井聡太八冠が東京都立川市で行われた「第73期ALSOK杯王将戦七番勝負」第4局を制し、4連勝で王将戦3連覇を果たした。これで藤井王将はプロ棋士になってから出場したタイトル戦の無敗神話を更新。大山康晴十五世名人が1963年から1966年に残…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , , , , |

注目キーワード

人気記事

1
あの「号泣県議」野々村竜太郎が「仰天新ビジネス」開始!「30日間5万円コース」の中身
2
3Aで好投してもメジャー昇格が難しい…藤浪晋太郎に立ちはだかるマイナーリーグの「不文律」
3
「コーチに無断でフォーム改造⇒大失敗」2軍のドン底に沈んだ阪神・湯浅京己のボコボコ地獄
4
フジテレビ・井上清華アナ「治らない顎関節症」と「致死量ストレス」の不穏な関係
5
【大騒動】楽天・田中将大が投げられない!術後「容体不良説」も出た「斎藤佑樹との立場逆転」