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【岡山VS仙台】J1昇格スーパー下剋上決戦のカギは「覚醒エース」と「J2の人格者」

 サッカーJ1昇格プレーオフ準決勝の2試合が12月1日に行われ、双方で下剋上が起きる大波乱の展開となった。

 リーグ戦3位から6位の4チームで残り1枠を争う中、V・ファーレン長崎(3位)VSベガルタ仙台(6位)は、1-4で仙台がまさかの圧勝。モンテディオ山形(4位)VSファジアーノ岡山(5位)は0-3で、こちらは岡山が山形を完封した。どちらも下位のチームが、アウェーで下馬評を覆す3点差の勝利を収めたのである。

 こうなると、どちらが昇格の切符をつかんでも驚けないが、仙台はやはりエースのFW中島元彦が鍵を握ると、Jリーグを取材するサッカーライターは言う。

「長崎戦で前半に先制PKをど真ん中に蹴り込んでメンタルの強さを見せつけると、後半アディショナルタイムにダメ押しゴールを決めました。全試合出場したリーグ戦では、1試合でのシュート本数は5本が最多だったのに、長崎戦では積極的に6本放った。大一番でエースが覚醒した印象です」

 中島と2トップを組んだFWエロン、両サイドハーフのMF郷家友太とMF相良竜之介が呼吸の合った連動を見せ、長崎の守備陣を翻弄した。SNSには「仙台が4点目ってウソだろ」との投稿があったが、実は仙台はリーグ戦で4得点を挙げたことは一度もなかった。それだけに長崎戦は、今季のベストゲームといっていい戦いだったのだ。

 そしてこの大勝には、森山佳郎監督のマネージメントが大きく影響していた。

「U17日本代表の監督を8年間務めただけに、短期決戦の経験が豊富。最終節の直後に4日間のオフを選手に与えてリフレッシュさせると、トレーニング再開後は競争意識を植え付けるため、わざとレギュラーを固定しませんでした。ほどよい緊張感を持ちながら、コンディションを整えてチーム力を高めたのです」(前出・サッカーライター)

 一方、ホームのシティライトスタジアムで迎え撃つ岡山は、クラブ史上初の昇格に王手をかけた。

 山形戦では、リーグ2位を誇る失点29の堅固な守備陣が本領発揮。ピンチの場面で冷静に対応し、無失点で決勝に駒を進めている。

「大一番で岡山の鍵を握るのは、GKスベンド・ブローダーセンです。ドイツのアンダー世代の代表歴もある守護神は、2021年シーズンの夏に横浜FCに加入し、孤軍奮闘でスーパーセーブを連発。クラブはJ2に降格しましたが、ワールドクラスのプレーに、複数のクラブが獲得に動きました。人柄も高く評価されている人格者で、日本語を猛勉強して今では通訳なしで流暢に話します。インタビューの受け答えは日本人選手より上手いともっぱら。今シーズンから岡山に完全移籍するとリーグ戦全試合に出場し、J2の壁として大きく立ちはだかっています」(前出・サッカーライター)

 今シーズンの対戦成績は、岡山が2連勝を飾り、仙台を「お得意様」としている。仙台のエース中島が岡山のブローダーセン率いる鉄壁の守備陣を攻略できるのか。

 勝てば天国、負ければ地獄の運命の決勝戦は、12月7日の13時5分にキックオフだ。

(風吹啓太)

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