スポーツ
Posted on 2025年03月27日 05:59

ジュビロ磐田「PK外したらJ2降格」究極の状況で何があったのか「相手を欺いたキッカー幻惑作戦」の舞台裏

2025年03月27日 05:59

 2024年J1リーグ第37節、ジュビロ磐田×FC東京の終了間際のPKは、サッカー界では今も語り草だ。磐田は勝たなければJ2降格が決まるという状況で、スコアは1-1の同点。外せば降格のPKを、山田大記が見事に逆足でゴールに蹴り込んだ。

 あの時、裏では何があったのか。昨シーズン限りで引退した山田氏本人が、鈴木啓太氏のYouTubeチャンネルで、全てを明らかにした。

「外したらどうしよう…としか思っていなかった。前日にジャーメイン良と話をして、いつも彼が蹴っていたので『大記くん最後だけど、明日蹴ります』と言われて、2-0とかプレッシャーがかからなければ蹴るよ、って。試合が決まっていたりすれば蹴る、と言っていた。プレッシャーがかかっていたら頼むわ、と。ジャーメインが外しても、誰も文句言わないから。こんだけ点を取って、活躍してくれて」

 PK獲得時のスコアは1-1。まさにプレッシャーがかかる場面だったが、

「いざPKにになって、ジャーメインにどうするか聞いたら『ちょっと足痛いっす』。おいおいおい。でも冗談抜きでひどい打撲をしていたので、じゃあ俺蹴るわ」

 こうして山田氏がPKを蹴ることになった。

 ここで山田氏は「秘策」を繰り出す。最近はPKのVAR判断中に、ベンチがキッカーの蹴る方向のデータをGKに教えることが多い。

「俺が蹴るとしても、ジャーメインが(ボールを)ギリギリまで持っていてね(とお願いした)。僕は右で蹴るフリをして左で蹴る方がいちばん自信があって、でも読まれたら終わり。なのでジャーメインにボールを持っていてもらって、PKが確定してセットしたタイミングでボールをもらって蹴った」

 相手GKに自身のデータを渡させないことで、成功に導いたのである。プレッシャーのかかるPKであり、外してもおかしくはなかったが、

「さすがにサッカーの神様が外させないだろう。そんなにドSじゃないだろうなって。ジュビロサポーター側だったので、みんなも決めさせてくれるだろう。枠に入れようというだけ」

 磐田は次の試合でサガン鳥栖に負け、J2に降格してしまうのだが、このPKは今も多くのサッカーファンの胸に焼き付いている。

(鈴木誠)

全文を読む
カテゴリー:
タグ:
関連記事
SPECIAL
  • アサ芸チョイス

  • アサ芸チョイス
    社会
    2025年03月23日 05:55

    胃の調子が悪い─。食べすぎや飲みすぎ、ストレス、ウイルス感染など様々な原因が考えられるが、季節も大きく関係している。春は、朝から昼、昼から夜と1日の中の寒暖差が大きく変動するため胃腸の働きをコントロールしている自律神経のバランスが乱れやすく...

    記事全文を読む→
    社会
    2025年05月18日 05:55

    気候の変化が激しいこの時期は、「めまい」を発症しやすくなる。寒暖差だけでなく新年度で環境が変わったことにより、ストレスが増して、自律神経のバランスが乱れ、血管が収縮し、脳の血流が悪くなり、めまいを生じてしまうのだ。めまいは「目の前の景色がぐ...

    記事全文を読む→
    社会
    2025年05月25日 05:55

    急激な気温上昇で体がだるい、何となく気持ちが落ち込む─。もしかしたら「夏ウツ」かもしれない。ウツは季節を問わず1年を通して発症する。冬や春に発症する場合、過眠や過食を伴うことが多いが、夏ウツは不眠や食欲減退が現れることが特徴だ。加えて、不安...

    記事全文を読む→
    注目キーワード
    最新号 / アサヒ芸能関連リンク
    アサヒ芸能カバー画像
    週刊アサヒ芸能
    2025/7/22発売
    ■620円(税込)
    アーカイブ
    アサ芸プラス twitterへリンク