東京・吉原の特殊浴場各店が、この4月からリクルート活動を活発化させている。というのも、スカウト根絶を打ち出した警察当局と足並みを揃え、浅草防犯健全協力会の全加盟店が、スカウト経由の女性紹介を断るようになったからだ。と同時に、スカウト経由で働いていた女性を解雇した。吉原を取材するジャーナリストによれば、
「約200人の嬢が吉原から消えたといわれています」
警視庁は今年1月、巨大スカウトグループ「アクセス」の壊滅を目指し、特別捜査本部を設置した。スカウトは女性を店に紹介すると、紹介料を得るとともに、その女性の売り上げからバックマージンを受け取る。
また、ホストクラブと手を組み、女性を風俗店に紹介する目的で多額のツケを背負わせる手口で、マージンを得ていた。「アクセス」の構成員は約300人で、売り上げは70億円ともいわれている。
その捜査の一環として、今年に入って特殊浴場の摘発が相次いだことから、吉原も対応を迫られることに。
「女性従業員を雇うのは、スカウト頼みだった。そうでないと売り上げを期待できる女性が来なかったんです。スカウト排除は痛いが、業界全体を考えれば仕方がない」
大衆店の店長はそう言ってうなだれつつも、前を見据えた。
各店は「解雇した女性はすぐ吉原に戻ってくる」と考えていたが、いまだ離れたままの女性は多い。
「まだまだ蓄えがあるから戻ってこないのか。昼職だけに転換したのか。あるいは回転率がいい地方に流れたのか、わからない」(前出・店長)
スカウト経由の女性は若手が多かったためか、吉原は少しだけ「熟性」が進んでいる。各店はSNSを駆使して、若手サービス嬢のリクルート活動に邁進している。
(健田ミナミ)