自民党に内部バトルが勃発した。森山裕幹事長は5月13日の記者会見で、夏の参院選大阪選挙区(改選数4)に、現職の太田房江氏を擁立すると表明。府連会長の青山繁晴参院議員は新人候補の擁立を模索しているが、森山氏は、
「これ以上、時間をかけることは難しい。執行部として結論を出した」
府連関係者によると、青山氏は「太田氏が公認されれば、府連会長を辞める」とまで漏らしているといい、火種はくすぶっている。
旧・通産省(現・経産省)出身の太田氏は大阪府知事を務めた後、2013年の参院選で初当選し、現在は2期目。本人は再選に意欲を示しているが、「太田氏では勝てない」との声が府連内に根強い。
そこで青山氏は新人候補を立てるべく、5月11日に大阪市内で開いた記者会見で、次のように説明。
「府内出身で20年来の知友。国の組織で将来を嘱望されている人を説得して、合意した」
具体的な氏名は明かさなかったが、元自衛官を念頭に置いていると言われている。
だが候補者の発表までには至らず、時間切れで執行部は太田氏に決めた。自民党内では「最終的に青山氏は、比例から選挙区に転出するのが狙いなのではないか」との見方が出ている。
青山氏は昨年秋の衆院選での自民党敗北を受けて、石破茂首相の退陣を公然と求めるなど、現執行部とは大きな距離がある。青山氏が執行部の決定に対し、本当に府連会長を辞めるのかも含め、次なる反撃が注目される。
(田中紘二/政治ジャーナリスト)