スポーツ
Posted on 2025年05月26日 17:58

F1角田裕毅「完全な期待外れ」で露呈した「地獄のモナコGP」レースと呼べないルール

2025年05月26日 17:58

 コースのタイトさが織りなす、息詰まる空気感。歴史あるモンテカルロ市街地コースに、今年も多くのファンが熱い視線を注いだ。しかしF1第8戦モナコGP決勝は、レッドブル・角田裕毅にとっては悪夢のような一日となった。

 12番グリッドからスタートした角田は、17位フィニッシュの大惨敗。ファンが期待したドラマは影を潜め、むしろ「これをレースと呼べるのか」という疑念が広がった。

 今年のモナコGPは、ドライタイヤ最低2コンパウンド使用義務に加え、「決勝中に合計3セットのタイヤを必ず使う」という特例ルールが導入された。角田はその裏をかくべく、バーチャルセーフティカー中の1周目にピットインし、ピットロスを最小化する戦略を敢行。しかしピットアウト後は他チームの「ブロック作戦」や慢性的なトラフィックに翻弄され、トップから5秒差で走り続けながら、一度も抜きどころをつかめなかった。

 モナコ市街地コースは全長3.337km。縁石の多いタイトなレイアウトに、昨今の大型化したマシンではオーバーテイクポイントがほとんど存在しない。そのため予選順位がレース結果を左右すると言っても過言ではなく、実際に角田を含む多くのドライバーが70周以上にわたって「トラフィック地獄」に付き合わされた。

「こんなのレースじゃない」「ルールを根本から見直せ」といった嘆きがあふれる一方で、18台中17位完走の角田には「完全な期待外れ」「レッドブル昇格後、最悪の一戦」との厳しい評価が。当然ながら、クリスチャン・ホーナー代表は、

「彼はただ列の中を走っていただけだ」

 と手厳しく評した。角田自身も、

「何も起こらず、これまでで最も長く感じたレースだった」

 自らの予選パフォーマンス不足を痛感していると認めたのである。

 もし予選でQ3進出を果たしていれば、スタート直後の混戦を回避でき、タイヤ戦略に幅が生まれたはずだ。それが叶わなかった反省は、次戦スペインGPに向けた重要な教訓となるだろう。

 一方で、モナコGPが抱える構造的な問題も浮き彫りになった。市街地の狭さはドライバー同士の真剣勝負を封じ、レース本来の醍醐味を奪っている。もし観客が再び手に汗握る攻防を望むのであれば、タイヤセット数の見直しや、レース中に限ったエンジンハイパフォーマンスマッピングの一時解禁など、より大胆なルール改定が必要となるだろう。

 結局のところ、角田の1周目ピット作戦は「やらないよりはマシ」という賭けにすぎなかった。しかしそれ以前に、F1運営がモナコGPの根幹にメスを入れなければ、この伝統と格式あふれるレースは、ただの「市街地パレード」に成り下がってしまう。次戦カタルーニャ・サーキットで行われるスペインGPでは、真のバトルが展開されることを期待したい。

(ケン高田)

全文を読む
カテゴリー:
タグ:
関連記事
SPECIAL
  • アサ芸チョイス

  • アサ芸チョイス
    社会
    2026年01月14日 07:30

    昨年あたりから平成レトロブームを追い風に、空前の「シール」ブームが続いている。かつては子供向け文具の定番だったシールだが、今や「大人が本気で集めるコレクターズアイテム」として存在感を放つ。1980年代から90年代を思わせる配色やモチーフ、ぷ...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    タグ:
    社会
    2026年01月19日 07:30

    鉄道などの公共交通機関で通勤する人が、乗車の際に使っている定期券。きっぷを毎回買うよりは当然ながらお得になっているのだが、合法的にもっと安く購入する方法があるのをご存じだろうか。それが「分割定期券」だ。これはA駅からC駅の通勤区間の定期券を...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    タグ:
    社会
    2026年01月22日 07:30

    今年も確定申告の季節がやってきた。「面倒だけど、去年と同じやり方で済ませればいい」と考える人は少なくないだろう。しかし、令和7年分(2025年分)の確定申告は、従来の感覚では対応しきれないものになっている。昨年からの税制の見直しにより、内容...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    タグ:
    注目キーワード

    人気記事

    1. 1
    2. 2
    3. 3
    4. 4
    5. 5
    6. 6
    7. 7
    8. 8
    9. 9
    10. 10
    最新号 / アサヒ芸能関連リンク
    アサヒ芸能カバー画像
    週刊アサヒ芸能
    2026/1/27発売
    ■550円(税込)
    アーカイブ
    アサ芸プラス twitterへリンク