スポーツ
Posted on 2025年05月26日 09:59

「バーカ、タコ!」佐々木主浩が憤激したヤクルト一塁コーチの「怪しげな動き」/スポーツ界を揺るがせた「あの大問題発言」

2025年05月26日 09:59

 マウンド上でのあのイライラ感は、テレビ画面からもひしひしと伝わっていたのではないだろうか。1999年5月26日の横浜×ヤクルト戦。4-3と横浜リードで迎えた9回、満を持してマウンドに上がったのは「大魔神」こと佐々木主浩である。

 だが宮本慎也を四球で歩かせるとバントで二塁へ。続く真中満には右前に同点タイムリーを浴びることに。佐々木がヤクルトに得点を許したのは3年ぶりだったが、なんとかこの回を1失点で抑え、延長戦に突入した。

 そして10回、進藤達哉の二塁打で横浜が勝ち越すと、その裏、佐々木が三者凡退に切って取り、勝利投手となったのである。

 球場が横浜ファンの歓喜で包まれる中、相手ベンチに向けて佐々木の口から飛び出したのが、耳を疑う暴言だった。

「バーカ、タコ!」

 この日の佐々木は登板早々、やけに苛立っていた。その理由を本人は試合後、番記者らにこうブチまけたのである。

「つまらないよ、日本の野球は。腕を組んだり、組まなかったり。やってたでしょ、一塁側で」

 佐々木いわく、ヤクルトの一塁コーチャー、渡辺進コーチが球種を打者に教えている、つまりサインを盗まれているため、あえて「伝家の宝刀」フォークボールを封印。13球続けてストレートで勝負し、それを狙い撃ちされてしまったというのである。

 佐々木の勝負球は直球とフォーク。それが2分の1の確率で封じられたとなれば、イライラが募ることは想像に難しくない。佐々木の言い分に対して渡辺コーチは、

「(年俸)5億円ももらっている選手がそんなことを言うなんて…。なんか寂しいよね」

 と冷めたコメント。タイムリーを放った真中も全面否定だ。

「サイン盗みなんて、とんでもない。だいたい一塁コーチが出したって(左打者の)僕には見えない。渡辺さんは(腕を組んだり)紛らわしいことをやるけど、別にそれで球種が何か教えているわけじゃない」

 ただ、普段は温厚で知られるヤクルトの若松勉監督は珍しく声を荒らげて、

「サインなんて盗んでいない。やるわけないでしょ。大金をもらっている選手が、なんてつまらないことを言うんだ」

 怒りもあらわに反論したのだった。

 佐々木は翌2000年オフ、マリナーズにFA移籍。海を渡って大リーグに活躍の場を移すことになるのだが、この「日本の野球はつまらない」発言がメジャー行きを決断させる要因のひとつになったことは間違いなかろう。そして横浜は大魔神を失った後、皮肉にもBクラスを彷徨うことになってしまうのだった。

(山川敦司)

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