北朝鮮に拉致された全被害者の即時一括帰国を求める「国民大集会」の最中、「石破茂首相が居眠りしていた」と批判する投稿が、X上に動画入りで掲載され、批判のコメントが相次いでいる。
「居眠り」動画は、拉致被害者の横田めぐみさん(失踪当時13歳)の母・早紀江さんの挨拶の最中に、現場で撮られたもの。日本政府が認定する被害者の親で存命なのは早紀江さんだけとなる中、「生きている間に解決するのか。『めぐみちゃん、よく帰ってきたね』と言えるまで頑張る」と切実に訴えた。この時、石破首相はずっと目を閉じていた。
作家の門田隆将氏はXに、次のようにコメントしている。
〈早紀江氏の悲痛な訴えの中、居眠りする石破首相。もはや睡魔も我慢できない。日朝国交正常化推進議連メンバーの石破氏にとって拉致被害者は邪魔な存在でしかない。その気持ちが表われたか。だがわざわざこの人物を首相にする日本。“運否天賦”とはいえ、余りに情けない〉
X上には石破首相の国会などでの居眠りシーンも載っているが、頭が前方にカクンと倒れた状態となっている。今回はそんな状態ではなかったため、完全に居眠りしていたわけではなかったとみられるが、悲痛な訴えを展開する早紀江さんに対して失礼な態度であることは間違いないだろう。
石破首相はその後の挨拶で、拉致問題を「国家主権の侵害」と繰り返し、
「時間的な制約がある中で国際社会にいっそう、協力と理解を求める」
と強調したが、本気で解決しようとする気があるのか。誠実さに欠ける態度で会場内が白けたのは間違いない。
(田中紘二/政治ジャーナリスト)