巨人のリリーフが、まさに大誤算だ。大勢は6月5日のロッテ戦で押し出しサヨナラ死球を与え、パ・リーグ最下位相手に痛恨の連敗を喫した。
先発登板した山崎伊織が9回1失点と好投したが、同点の延長10回、今シーズン早くも24登板目の大勢は先頭の山本大斗にヒットを打たれるなどして無死二塁とすると、その後のバント処理のまずさもあって無死一・三塁へとピンチが拡大。申告敬遠で無死満塁となり、角中勝也を二飛、代打の岡大海を投ゴロで二死としたが、高部瑛斗には引っかけたフォークを足に当て、万事休すとなった。いったいどうしたのか。
「疲労が蓄積して、ボールをコントロールできていません。持っているポテンシャルは超一流ですが、もともと体は頑丈ではない。力を消耗しやすいフォームで、疲れがたまると急激にパフォーマンスが落ちてしまうタイプ。注意して使わなければいけません」(スポーツライター)
ドラフト1位で入団した2022年は桑田真澄1軍投手コーチ(当時)が、スタミナ面から先発投手ではなく、抑えで使うよう原辰徳監督に勧め、リリーフを任されるようになった。2023年はWBCへの参加や3連投、無理な登板が重なって大スランプに陥り2軍調整を余儀なくされている。
「阿部慎之助監督や杉内俊哉投手コーチは、そのあたりを十分に理解しています。あまり無理させないように気使い、シーズン終盤の9月やポストシーズンに万全に働けるよう、休みを与えながら起用するつもりのようですが」(前出・スポーツライター)
5月27日の富山遠征には帯同せず、休養日を与えられて東京に残った。ライデル・マルティネスの加入で昨年までの抑えからセットアッパーになり、登板機会は増えてきている。今後は体のコンディションを見ながらの起用となりそうである。
(佐藤実)